2013 Fiscal Year Research-status Report
後発企業効果に関する長期的分析─戦略的意思決定をめぐる資源ベースアプローチ─
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24530481
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
久保 文克 中央大学, 商学部, 教授 (00256017)
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Keywords | 後発企業効果 / 後発企業 / 先発企業 / キャッチアップ / 逆転 / 年数パターン / 戦略要因パターン / 資源ベース |
Research Abstract |
後発企業効果が具体的にいかなる市場において確認することができたのかを、820余りの市場のマーケットシェアによって確認する分析をほぼ完了しつつある。具体的には、製薬14、家電14、化粧品・レジャー18、食品・流通・金融19、化学18、パルプ・輸送19、機械・鉄鋼15、精密機械・その他10の合計127の市場において後発企業効果が確認された。 同時に、上記127市場のマーケットシェアグラフを一次資料に遡り作成しつつ、直近(2010年前後)までグラフを補充した。 以上の作業と同時進行的に進めているのが、127市場を後発企業効果が実現するまでの年数によってまずは分類する作業である。現在仮説的に仕分けしているパターンとしては、5年以内の短期間に一気に後発企業効果を発揮したパターン、長期間をかけてじわじわと同効果を発揮したパターン、長期間の停滞を経て一気に同効果を発揮したパターンの以上3つがあり、あわせて、後発企業効果が発揮された時期についても分類を行い、マクロ経営環境としての時代背景がいかなる影響を及ぼしたのかについても分析を加えつつある。 一方、後発企業効果を発揮できた要因の分析も重要であり、後発企業の戦略的意思決定の視点から類型化を産業ごとの市場特性を念頭に置きつつ試みており、以上の後発企業効果をめぐるマクロ定量的分析を踏まえ、後発企業効果発揮までの期間と要因それぞれの各グループの典型的事例と考えられる企業を対象に、ミクロ定性的分析へと移行していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
その他研究費の研究との兼ね合いで、若干遅れを来している部分もあるが、全体としてはおおむね順調に推移していると考えており、平成26年度において成果を出すことが期待できよう。
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Strategy for Future Research Activity |
上述した年数パターン、戦略要因パターンに関する分析を完了させ、具体的なミクロ定量分析、事例研究を本格化させたい。その際、すでに神戸大学経営経済研究所が所蔵する内部資料を入手している化粧品市場の鐘紡について、鐘紡研究会での報告に向けて先行させたい。同時に、マクロ定量分析を中心とする成果について、9月に文京学院大学で開催される経営史学会50周年記念全国大会において報告する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
一次資料に基づくマーケットシェアのグラフを作成するため、国立国会図書館で一次資料を入手するためのアルバイト学生の費用が前倒しで必要となったため。 国立国会図書館で一次資料をいちはたく入手しマーケットシェアのグラフ作成をすべて完了させる。
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