2013 Fiscal Year Research-status Report
組織能力と組織・製品アーキテクチャによる韓国と日本企業のグローバル戦略比較調査
Project/Area Number |
24530493
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朴 英元 東京大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (90526485)
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Keywords | 組織能力 / 製品アーキテクチャ / グローバル戦略 / コア・コンピタンス / 韓国企業 / 日本企業 / 生産工程 / インテグラル |
Research Abstract |
研究2年目である平成25年度には、平成24年度のグローバル調査の継続調査として、日本と韓国の国内調査および中国、インドにおける日本と韓国企業の継続調査を行いつつ、アメリカ、ロシア、台湾などの地域における韓国と日本の大手製造業を対象にフィールド訪問調査およびインタビューを実施した。また、2012年度との比較のために、前年度行った中国、インド、ASEAN、南アフリカ共和国などの新興国における日本と韓国企業のグローバル戦略の特徴を明らかにし、比較分析を実施した。 2年間の研究成果をまとめると、日本企業は開発・生産においてクローズドインテグラル製品・工程アーキテクチャ構造を構築し、国内に蓄積されている暗黙知を新興国市場に漸進的に展開する戦略を取っていることが明らかになった。その結果、ものづくりの開発・生産能力は日本の本社とマザー工場に依存する傾向が未だに強く、そういった能力を現地に展開し、育てていく戦略方向になっている。また、販売能力の拡張においても、こうした漸進的な展開のため、多様な商品ラインアップが難しく、販売チャンネルなどの面では依然として課題があるように思われる。一方、韓国グローバルメーカーは、サムスン、現代自動車などで顕著に見られるように、韓国本社のR&D拠点や生産技術に頼るところでは、日本企業と同様な傾向がみられるが、素早く韓国本社の開発・生産の暗黙知を新興国などの現地に展開するための仕組みを構築していることが明らかになった。 以上のインタビュー調査および成果を踏まえて、2012年度に引き続き、2013年度も積極的に研究成果をまとめつつ、その成果を国際的に発信してきた。具体的な研究成果は、研究論文5本(査読付き論文3本(そのうち、SSCIジャーナル2本))を出版し、国際学会に8回報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究では、グローバル戦略を分析するために、組織能力をテクノロジーコンピタンス、カスタマーコンピタンス、リンケージコンピタンスのように、3つのコンピタンスに区分して、こうした組織能力と組織・製品アーキテクチャとの関係を分類するフレームワークを提示し、それに基づいたインタビュー調査を行ってきた。 平成25年度には、日本と韓国の国内調査および中国、インドにおける日本と韓国企業の継続調査を行いつつ、アメリカ、ロシア、台湾などの地域における韓国と日本の大手製造業を対象にフィールド訪問調査およびインタビューを実施した。また、2012年度との比較のために、前年度行った中国、インド、ASEAN、南アフリカ共和国などの新興国における日本と韓国企業のグローバル戦略の特徴を明らかにし、比較分析を実施した。その成果として、研究論文5本(査読付き論文3本(SSCIジャーナル2本、SCOPUSジャーナル1本))を出版し、国際学会に8回報告しており、本研究の目的を十分達成している方向に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度の研究成果のまとめと発信では、2012年度行った中国、インド、ASEAN、南アフリカ共和国などの新興国における日本と韓国企業のグローバル戦略の特徴と、2013年度実施した中国、インドにおける日本と韓国企業の継続調査および、アメリカ、ロシア、台湾などの地域における韓国と日本の大手製造業を対象にしたフィールド訪問調査およびインタビュー調査から得られた発見事実に基づき、日本と韓国のグローバル戦略の違いに関するモデルを提案し、その成果をまとめて国際的に発信する予定である。その成果を国際学会で3回以上報告し、さらにその成果をまとめて、国際ジャーナルに投稿していく計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
謝金の一部の用途が実行できなかったため。 謝金として使う。
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Research Products
(13 results)
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[Presentation] Demand Fluctuation and Supply Chain Integration: Case studies of Japanese Firms2013
Author(s)
Tomino, T., Shintaku, J., Park, Y.W., and Kobayashi, M., Hong, P., Shin, G-C.
Organizer
6th Global Supply Chain Management Conference
Place of Presentation
Detroit, USA
Year and Date
20130926-20130928
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