2014 Fiscal Year Annual Research Report
組織能力と組織・製品アーキテクチャによる韓国と日本企業のグローバル戦略比較調査
Project/Area Number |
24530493
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朴 英元 東京大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (90526485)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 組織能力 / 製品アーキテクチャ / グローバル戦略 / コア・コンピタンス / 韓国企業 / 日本企業 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では組織能力と組織・製品アーキテクチャの視点に基づき、韓国企業と日本企業のグローバル戦略をフィールド訪問調査およびインタビュー調査を通して比較分析してきた。こうした韓国企業と日本企業のグローバル戦略を比較分析することによって両国企業間のグローバル戦略の差異を明らかにしてきた。具体的に、2012年度は中国、インド、ASEAN、南アフリカ共和国、また2013年度はアメリカ、ロシア、台湾などの地域における韓国と日本の大手製造業を対象にしたフィールド訪問調査およびインタビューを実施し、2014年度はこれまでの調査結果を国際学会および国際ジャーナルに積極的に発信した。 3年間の研究成果をまとめると、新興国戦略を成功させている日本企業の場合、既存の日本国内開発製品を現地に展開する戦略ではなく、現地ニーズを新たにセンシングして、既存の自社技術と現地部品を效率的に活用する戦略を展開しているのが共通の特徴である。また、これを実現する具体的な製品アーキテクチャ戦略として、日本企業の場合、その独特の強みであるインテグラル・アーキテクチャ開発能力に、現地部品企業の不安定な品質を吸収して低い製品価格と、日本企業の強みである一定の水準以上の品質を具現するオープン・インテグラル戦略を展開したことが分かる。 一方、韓国グローバル企業の場合、オープン・モジュラー製品を非常に早いスピードで展開する戦略を駆使していると言えるだろう。そのため、新興国市場で成功している韓国のグローバル企業は、ブランドによる差別化戦略に注力しており、デザインの差別化、市場別ニーズに特化した機能の差別化、タイムリー製品投入、生産と販売を統合したSCM(Supply Chain Management)戦略を展開していると考えられる。 具体的な研究成果は、共著2冊、研究論文7本(査読付き論文7本(そのうち、SSCIジャーナル1本)を出版し、国際学会に15回報告した。
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Research Products
(24 results)