Research Abstract |
日本,ミャンマー,カンボジア,ベトナム,ラオス,バングラディシュ,フィリピンで自動車市場および自動車流通に関する現地調査を実施し,その国際比較を行った。 これらの国は人口1000人当たりの自動車保有台数がきわめて小さく,20台以下の国でありる。すなわち人口1000人当たりの保有台数が800台(米国),600台(日本,英国,ドイツ,フランス,イタリア),400台(韓国),200台(ロシア),100台(中国)と比較すると,保有水準がきわめて小さく,自動車よりも他の交通手段,オートバイ,自転車,三輪車,ジープニーどが都市中心部においても主要な交通手段を構成している。 しかし,そうした中でも,国ごとの相違は明確であった。ミャンマーでは,トラックの荷台を改造し,人が乗れるようにして,乗合バスの代替手段として用いている。バングラディシュでは,なおも自転車の後ろに三輪車を改造して付けたシクロなどと呼ばれる交通手段が一定の比率を占めている。フィリピンでは,日本から輸入中古トラックを改造し,後部の荷台を乗合バスのようにしたジープニーが都市内でも都市間交通おかいても大きな比率を占めている。カンボジアでは米国などから輸入された中古のレクサスが市場で20~30パーセントもの高いシェアを占めている。これらは米国で発生した事故現状車,あるいは修復歴のある中古車が大半を占めている。 ラオスはカンボジアやベトナムに比べて少し所得水準が高いために,自動車の価格がすこし高いように思われる。 以上の端緒的な発見事実を踏まえて,入手困難だが,統計的なデータを可能な限り揃えて,各国の自動車市場の国際比較をおこなっていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の現地調査も含めて,日本,中国,韓国,台湾,ベトナム,タイ,ラオス,カンボジア,バングラディシュ,フィリピン,インドネシア,マレーシアにおける自動車市場と自動車流通の概括的な状況が把握できるようになった。 今後は統計的なデータも組み込み,自動車フランチャイズシステムの国際比較を試みていきたい。 次世代流通戦略について調査が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度,25年度における海外現地調査を踏まえて,26年度はさらに他の国も含めて,自動車市場と自動車流通システムを含む自動車フランチャイズシステムの国際比較の検討を進める。日本自動車工業会などの海外統計を駆使して,統計データも組み込み,国際比較を進めていく。 次世代流通戦略については,日本における,中古車オークションシステムの革新という点に領域を絞って進める予定である。
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