2013 Fiscal Year Research-status Report
「近代化変圧器」としての開発援助~開発社会学の定立を目指して~
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24530611
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Research Institution | Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization |
Principal Investigator |
佐藤 寛 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, その他 (50403613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 麻由子 福岡県立大学, 人間社会学部, 准教授 (00585416)
佐藤 裕 国際教養大学, 公私立大学の部局等, 助教 (40534988)
辰己 佳寿子 福岡大学, 経済学部, 教授 (80379924)
浜本 篤史 名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 准教授 (80457928)
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Keywords | 開発援助 / アフリカ開発 / インフラ建設 / 社会実験 / 農村開発 |
Research Abstract |
平成25年度は国際開発学会「開発と社会学」研究部会を中心とした活動を行った。主な活動は以下のとおり。 2014年(平成25年)4月6日の第1回研究会(一橋大学)では、国際開発学会の学会誌『国際開発研究』の特集「開発と社会学」の内容レビューを行った。5月11日の第2回研究会(一橋大学)では、アフリカ研究の児玉谷史郎教授をお招きして、アフリカの開発と社会学的なアプローチのあり方について意見交換を行った。7月27日の第3回研究会では工学分野の加藤浩徳准教授(東京大学)をお招きし、インフラプロジェクトの評価と社会実験」についての報告を受け、今後JICA等のインフラプロジェクトにおける、社会学的視点の導入可能性について意見交換を行った。11月18日の第4回研究会(JICA九州センター)では、農村社会学の徳野貞雄教授(熊本大学)をお招きして、日本国内で開発した「T型集落点検」という手法を途上国(フィリピン、トルコ)で適用した事例の報告報告を受け、「近代化」と社会学の関係についても議論を深めることが出来た。 12月1日には国際開発学会全国大会(大阪大学)の場で「開発と社会学」セッションを持ち、環境社会学の宮内泰介教授(北海道大学)を招き、社会学教育と開発問題の接点について幅広い意見交換を行った。 12月11日の第5回研究会(JICA九州センター)では、アジア経済研究所の坂田正三研究員を招き、地域研究の始点から「ベトナムの農業機械をめ ぐる生態系:「ものづくり」支援が見落としているもの」と題する報告を受け、開発支援における社会学的視点の重要性を再確認した。2014年3月18日の第6回研究会(JICA研究所)では、研究分担者の佐藤裕が国際開発学会奨励賞を受賞した論文(『国際開発研究』掲載)をベースに報告を行い、特に人類学分野からの参加者から多くの意見を得ることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者、研究分担者(4名)は、国内に分散(東京、名古屋、福岡、秋田)しているが、定期的な会合を持ち、外部の有識者を招いて積極的な意見交換を行っている。 また「開発社会学リーディングス(仮題)」の作成作業も着実に進展している。ただ、まだ出版社は決まっていないので2015年度に出版社の目処をつけることが出来ればと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
三年間の最終年度にあたる2015年度は、「開発社会学リーディングス」の執筆作業を進めるとともに、出版社の確定までこぎつけたい。 他方、三年間の研究成果を英語で発信するため、各自がそれぞれ発表の機会を見出すこととする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の本務が想定外に多忙であったため、出張が行えなかった。 2014年秋に英国で開催予定の英国開発学会に参加する他、研究会成果の取りまとめのためのアルバイト雇用に有効に活用する予定である。
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Research Products
(9 results)