2013 Fiscal Year Research-status Report
市民社会における介護サービス供給のあり方とサービスの質の測定方法に関する研究
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24530699
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山井 弥生 (斉藤 弥生) 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40263347)
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Keywords | ソーシャルエンタープライズ / 高齢者介護 / サービスの質 / 市民社会 / スウェーデン |
Research Abstract |
本調査研究はエーシタシュンダ-ル大学(スウェーデン)教授のビクトール・ペストフ氏との共同研究であり、平成25年度(2013年度)は3年間の調査研究プロジェクトの2年目であったが、研究調査実績は下記のとおりである。 1)ビクトール・ペストフ氏の日本への招聘(2013年5月8日‐6月2日):同氏の日本滞在中に、生協総合研究所との共催で東京(5月10日/立教大学)、大阪(5月28日/大阪大学中之島センター)において公開講演会を開催し、研究協力者とともに研究会を東京(5月10日/生協総合研究所)、大阪5月28日/大阪大学中之島センター)において実施した。またペストフ氏とともに日本国内における協同組合医療・介護の現地調査として、医療生協による医療施設5カ所、JA厚生連による医療施設4カ所を訪問し、ヒアリング調査を資料収集を行った。 2)研究成果の発表:日本地域福祉学会主催・日韓地域福祉サミット(2013年5月19日‐20日/沖縄)において、「日本のサードセクターとしての協同組合‐介護サービス供給体の可能性」をテーマに研究報告(口頭)を行った。『農林金融』(2013年12月号/農林中央金庫)に「協同組合による医療と介護の可能性」、『NHKテキスト社会福祉セミナー』(2013年4-7月号)に「社会的企業の可能性」「介護サービス供給の多元化」を掲載し、研究成果の一部を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の目的は、(1)「労働環境」視点に基づく指標を使い、日本における介護ソーシャルエンタープライズが提供するサービスの質を科学的に測定し、その特徴を明らかにすること、(2)スウェーデンにおける介護ソーシャルエンタープライズの現状を把握し、福祉国家変容のプロセスを踏まえて、分析することである。 現在までの達成度を評価すると、日本における調査については「おおむね順調」、スウェーデンにおける調査については「やや遅れている」。日本国内の調査では、当初、医療介護分野の協同組合事業者に対するアンケート調査を実施する予定であったが、実際にヒアリング調査を行うと事業者の多様性を踏まえた調査が必要であることが判明し、アンケート調査自体の組み立てを見なおさざるをえない状況となった。その分、ヒアリングによる質的調査は充実したものを実施できたので、研究成果として公表できる見通しはたっている。一方、日本の調査に費用と時間をかけてきたため、スウェーデンの調査研究には着手したばかりで、今後、力を入れていかなくてはならない。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成26年度(2015年度)には、再度ペストフ氏を招聘し(5月16日‐5月31日)、日本調査ならびにこれまでの研究のまとめを行い、共著論文としての発表を検討し、実施する予定である。 また今年度はスウェーデンの状況についての調査も実施し、研究プロジェクトの最終的なまとめを行う。 さらに今回のヒアリング調査の結果をふまえて、日本国内の協同組合における医療・介護の実態についてのアンケート調査の計画をたて、来年度以降の研究プロジェクトの計画づくりを行うことを考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
調査報告書の一部を英訳しようと計画していたが、作業が遅れてしまい、実施できなかった。 平成26年度は最終年度なので、予定通り、報告書の一部の英訳の費用として執行する予定である。
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Research Products
(5 results)