2012 Fiscal Year Research-status Report
物理的および人的支援が連動した在宅認知症高齢者への居住環境整備手法の体系化
Project/Area Number |
24530742
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大島 千帆 早稲田大学, 人間科学学術院, 助教 (40460282)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 居住環境整備 / 在宅 |
Research Abstract |
本研究の目的は、在宅認知症高齢者が生活者としてその人らしい生活を実現するための居住環境整備に着目し、その支援方法の体系化を目指すことを目的にした研究である。既存研究から認知症高齢者の生活する家庭内では多様な居住環境整備が行われていることが明らかにされている。これを受け、本研究では、従来の住宅改修や支援機器の活用に加え、家庭内で取り組まれている既存製品のカスタマイズや生活の知恵から生まれた工夫レベルの居住環境整備に着目する。物理的な居住環境整備手法だけでなく、実施した居住環境整備を使いこなすための支援や新しい環境に馴染むための人的支援方法についても明らかにすることによって、物理的な環境整備(ハード面)と人の関わりやサービスなど人的支援(ソフト面)が連動した居住環境整備の支援の実現を目指した研究である。 研究初年度となる当該年度においては、第一に、居住環境整備の範囲や居住環境整備とこれを支える人的支援の関係に言及した国内外の既存研究のレビューをおこなった。第二に、これまでの研究代表者らの研究成果について、居住環境整備の具体例な手法、居住環境整備の規模、人的支援(ソフト面)の必要性別に分類をおこなった。この結果をもとに、平成25年度に実施予定のアンケート調査の項目を抽出した。また、アンケート調査に資するデータとして、介護支援専門員やホームヘルパーを対象とした居住環境整備のイメージに関するインタビューも合わせて実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンケート調査は当該年度に実施予定であったが、調査協力機関の繁忙期にあたる年度末を避け、平成25年度前半におこなうこととしたため、進捗が遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
認知症高齢者の居住環境整備に関わる専門職の意識や実践状況を把握するために、認知症高齢者の居住環境整備に関わっている関東圏の介護支援専門員、ホームヘルパー計1200名を対象に自計式のアンケート調査を実施する。調査対象者の選定は、独立行政法人 福祉医療機構が運営するWAN NET (http://www.wam.go.jp/)に掲載されている居宅介護支援事業所および訪問介護事業所から無作為抽出する。 これにより、物理的な居住環境整備に関する具体的イメージ、居住環境整備の効果や限界を、専門職や家族介護者がどのように認識しているか数量的に把握する。また、物理的な居住環境整備(ハード面)や人の関わりやサービスなど(ソフト面)が連動した支援に関する意識を捉える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算の大部分は、アンケート調査実施関連費用に充てる予定である。また、入力等の人件費についても支出する予定である。
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