2012 Fiscal Year Research-status Report
障害児を持つ家族の障害受容~近親者の理解・受容と両親の受容との関連~
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24530774
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Research Institution | Jin-ai Women’s College |
Principal Investigator |
野尻 恵美子 仁愛女子短期大学, 幼児教育学科, 准教授 (20342024)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 障害受容 / 両親 / 近親者 |
Research Abstract |
本研究は、障害児をもつ祖父母および他の近親者の障害受容過程や受容の程度、障害に対する理解が両親の受容の程度とどのように関連しているかを明らかにするものである。そのための方法として、障害児をもつ祖父母、他の親戚、両親に対する質問紙調査さらには面接調査を行うこととする。 当初の研究計画では、24年度において障害児をもつ祖父母に対する質問紙調査、障害児をもつ両親に対する質問紙調査、それに基づき祖父母の受容と両親の受容との関連を分析する予定であった。しかし障害児をもつ家族の研究において、これまで行われてきた研究の多くは、母親を対象としたものであり、障害児を孫にもつ祖父母の受容を取り上げた研究は極めて少なく、他の近親者の受容や理解を取り上げた研究は現在のところ他に見当たらない。そのため、24年度においては質問紙調査実施に向けて、その内容の検討を行うため障害受容を取り上げた国内および海外の先行研究の調査を主に行った。「障害受容」という長い年月にわた複雑な心理過程を研究するにあたっては、倫理的な側面からも含め、質問紙の内容を充分検討する必要があるためである。さらに、「障害受容」という用語の使用の是非、また本研究における「障害観」を明らかにするため、「障害認識」の概念についても文献を通し、研究を行った。質問紙を作成するにあたっては、研究者自身の「障害観」を確立させておく必要があり、その立場・捉え方が質問紙に直接影響するためである。以上のように、24年度においては文献研究を通し、今後の研究への展望を開いた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究における「障害の捉え方」を構築するため、当初の計画以上に文献研究に時間を割く必要が生じた。しかし調査対象者の心理を的確に捉え、質の高い質問紙を作成するためには重要な研究でもあった。
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Strategy for Future Research Activity |
障害児をもつ祖父母に対する質問紙調査、また障害児をもつ両親に対する質問紙調査を実施する。さらにそれらを受けて、祖父母の受容と両親の受容の関連を分析する。併せて面接調査として祖父母、他の近親者、両親への半構造化面接を行うこととする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な必要経費として、通信費、調査協力者への謝金、データ処理に係る謝金が必要となる。その他質問紙の印刷費、文献購入費が必要となる。
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Research Products
(2 results)