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2012 Fiscal Year Research-status Report

幼児と児童の絵画鑑賞活動における「意味創造型」理解の発達と育成に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24530824
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

森 敏昭  広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (10110834)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 若山 育代  富山大学, 人間発達科学部, 講師 (90553115)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords意味創造型理解 / 絵画 / 発達 / 小学校低学年 / 幼児
Research Abstract

幼い子どもは,大人が驚くような発想をしたり,子どもらしく面白いアイデアを創造したりする。本研究では,このような子ども独自の意味創造型理解に着目し,期間内に3つの研究を行う予定である。具体的には,幼児期から学童期初期の子どもによる,絵画を用いた意味創造型理解の発達過程と,絵画を用いた意味創造型理解の働きを支援する実践研究を行う。
今年度は,学童期初期の1年生,2年生に絵画を提示し,考えたことを自由に言語化させお話作りをさせた。そして,そのお話の内容を年齢ごとに分類する研究を行った。これにより,学童期初期の子どもによる,絵画を用いた意味創造型理解の発達過程を明らかにすることを目的とした。
今年度,この年齢の子どもの意味創造型理解の発達過程を明らかにするための一つ目の分析は,先行研究に基づき参加児が作ったお話の文節数,命題数,命題統合数に着目して行った。その結果,1年生と2年生がお話作りの中で使用する文節数,及び,命題数に統計的な差はみられなかった。このことから,1年生と2年生が使用する語彙数,及び,一つのお話の中に盛り込むエピソード数には違いはないことがわかった。さらに,命題統合数については,1年生と2年生の間で統計上,有意傾向の差がみられた。このことから,2年生のお話のほうが1年生のものよりも,お話を構成する複数のエピソード間に,より論理的なつながりがある傾向がわかった。
二つ目の分析として,参加児が作ったお話の内容を,先行研究に基づき「行為」「物の状態」「人の状態」「心的状態」の4つに分類した。その結果,1年生と2年生では,使用する語彙や生成する命題数に違いはないが,1年生は,2年生と比べて,絵画に描かれている「物」に着目して論理的に繋がりのない物語を作ること,2年生は,1年生と比べて,絵画に描かれている「人」に着目して論理的に繋がりのある物語を作ることが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

予定では,昨年度に学童期初期の1年生,2年生だけでなく,幼児期後期の4歳児と5歳児のデータ収集を予定していた。しかし,データ収集は予定通りだったものの,予想していたよりもデータ分析に時間がかかったため,4歳児と5歳児のデータ収集が行えていない。分析に時間がかかった理由は,小学生でデータを収集してみたところ,従来の先行研究の分析観点では,本研究で明らかにする子どもの意味創造型理解を適切に評価できない懸念がでてきたためである。そのため,昨年度の達成度は,50%である。
しかし,昨年度,学会発表や学会発表のための準備を進めるなかで,分担者や学会参加者からの意見を得ることにより,先行研究にはない新たな分析観点を設定することができた。そのため今年度はその新たな分析観点に基づき,これまでの遅れを取り戻すべく,スピードを上げて分析とデータ収集ができる見通しである。

Strategy for Future Research Activity

今年度は,昨年度にデータ収集予定であった4歳児と5歳児のデータを収集する。加えて,当初予定していた通り,幼児を対象として,幼児期の子どもの意味創造型理解を育成する教示を明らかにする試みと,継続的絵画鑑賞実践が子どもの意味創造型理解を発達させるかどうかを平成26年度に検証するための取組みを行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度は,The 14th Annual Conference of PECERA(PACIFIC EARLY CHILDHOOD EDUCATION RESEARCH ASSOCIATION)での参加費及び宿泊費等と,その他国内学会での参加費及び宿泊費,研究分担者との打ち合わせのための移動費,データを保存しておくバックアップ用HD,その他実践にかかる物品費のために研究費を使用する予定である。

Research Products

(2 results)

All 2013

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] The developmental changes in stories produced by six-year-old and seven-year-old children: What kind of contents do children contain in their stories?2013

    • Author(s)
      Ikuyo Wakayama, Toshiaki Mori
    • Organizer
      The 14th Annual Conference of PECERA
    • Place of Presentation
      Kim Young-ui Hall at Ewha Womans University(韓国)
    • Year and Date
      20130704-20130706
  • [Presentation] 小学校1年生と2年生による絵画を使ったお話作り-文節・命題・命題統合の分析-2013

    • Author(s)
      若山育代・森敏昭
    • Organizer
      第35回美術科教育学会島根大会
    • Place of Presentation
      島根大学
    • Year and Date
      20130328-20130329

URL: 

Published: 2014-07-24  

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