• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2013 Fiscal Year Research-status Report

立体イメージの形成―『折り紙』を使った心理学的研究

Research Project

Project/Area Number 24530840
Research InstitutionShigakkan University

Principal Investigator

丸山 真名美  至学館大学, 健康科学部, 准教授 (40413314)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 梶田 正己  名古屋大学, 教育学研究科(研究院), 名誉教授 (70047231)
Keywords立体的変形 / 立体イメージ形成 / 空間認知能力 / 変形プロセス / 運動イメージ形成 / 折り紙 / 折図
Research Abstract

折り紙を平面的なものから立体的なものへと変形させる方略である「平面的変形」と「立体的変形」について分析した。その結果、「平面的変形」は机上で、「立体的変形」は空中で行われることが明らかになった。また、折図をみておる際にも「立体的変形」の所要時間が長く、頭の中で変形のイメージを形成しようとしていることも示された。また、折図をみておることと空間認知能力(折り紙パンチ)との間に正相関関係も見られた。同時に、折り紙経験の影響も大きいことが分かった。折り紙経験が多ければ、折り紙を操作する「運動イメージ」の学習量やバリエーションが多いといえる。すなわち、折り紙を操作する際の「運動イメージ」も形成も重要な要因であることが示された。被験者にとって新規な折図を見ておる場合、新規な折り方の箇所で、どのようにおるのかといった「運動イメージ」を形成しようとしていることが明らかになった。これらのことから、折り紙を折る、すなわち立体イメージを形成するためには、「空間認知能力」と「運動イメージ」か主要な要因となっていること、両者には学習(経験)効果が反映されることが示唆された。空間能力も運動イメージ能力も発達途上になる幼児(5歳児)を対象に、「平面的変形」「立体的変形」を学習させ、それがどの程度定着するか実験を行ったところ、「平面的変形」については十分に定着していたが、「立体的変形」についてはまったく定着していなかった。このことから、「立体的変形」は、立体イメージの形成を反映する。すなわち、空間認知能力とイメージ形成能力が「立体イメージ」の形成には重要な要因であることが確認された。また、世界では折り紙がどのようになされてるかのOrigamiUSA2013における実地調査を行い、海外では折図通り折るのではなく、出来上がりの形を決め、それを達成する変形プロセスを楽しむことが明らかになった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

当初は、折り紙を平面から立体への変形操作をするものととらえ、平面から立体への間にある「立体イメージ」がどのようなものか、どのように形成されるのかについて明らかにすることを本研究課題の最終目的の1つとしていた。折り紙についての心理学的研究はほとんどないことから、人はどのように折り紙を折るのかといった基本的な事柄を初年度は明らかにすることに専念した。今年度は、より詳しい分析を重ね、そのメカニズムについて明らかにすることを目的としてた。メカニズムの検討を行うことにより、研究開始時点では想定していなかった関連する心的要素のおおよその特定ができた。また、次年度行う予定であった発達的検討にも着手することができ、研究は当初の予定より進んでおり、かつ内容の濃いものになっている。そして、この折り紙を使用した研究を行うことで、より幅の広い心理学的事象について解明できる可能性が示唆され、より研究を進めて知見を蓄積することで、生活への応用可能性(教育、発達支援、認知症のケアなど)の高さがあると考えられた。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題は、平成26年度で最終年度を迎える。第1段階目の成果として、折り紙を用いた「立体イメージの形成」についてのモデルを構築する。そのために、以下の実験、調査を行う。
①折り紙パフォーマンスにどのような要因がどのようにかかわっているか明らかにする。「空間認知能力」「運動イメージ形成能力」「経験(学習)量」を主要な変数とする。課題は、難易度の異なる3種類を用意する。
②発達的変化の分析を行う。4歳から10歳までのこどもを対象に行う。普段の遊びのなかでの折り紙遊びの観察と①の実験の簡易版の実験を行う。
③折り紙熟達者についての聞き取り調査、および観察・分析。折り紙熟達者がどのように折り紙を変形させることをイメージしているのか明らかにする。

  • Research Products

    (8 results)

All 2014 2013 Other

All Journal Article (3 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] 折り紙とは何か~教育心理学的分析から2014

    • Author(s)
      梶田正巳
    • Journal Title

      児童心理

      Volume: 980 Pages: 117-123

  • [Journal Article] 折り紙とOrigami~比較文化的考察~2014

    • Author(s)
      梶田正巳
    • Journal Title

      児童心理

      Volume: 982 Pages: 119-125

  • [Journal Article] 折り紙~教育への提言~2014

    • Author(s)
      梶田正巳
    • Journal Title

      児童心理

      Volume: 983 Pages: 117-123

  • [Presentation] 折り紙を折っているのか?(5)幼児を対象にした分析2014

    • Author(s)
      丸山真名美
    • Organizer
      日本発達心理学会
    • Place of Presentation
      京都大学
    • Year and Date
      20140321-20140323
  • [Presentation] <自主企画シンポジウム>折り紙(origami)研究の可能性-「折り図」をみて「折ること」の難しさについて2013

    • Author(s)
      丸山真名美 梶田正巳 竹内謙彰 菱谷晋介
    • Organizer
      日本教育心理学会
    • Place of Presentation
      法政大学
    • Year and Date
      20130817-20130819
  • [Presentation] 私たちは、折り紙をどのように折っているのか?(4)「折り図」を見ながらのプロセス分析2013

    • Author(s)
      丸山真名美
    • Organizer
      日本教育心理学会
    • Place of Presentation
      法政大学
    • Year and Date
      20130817-20130819
  • [Presentation] 私たちは折り紙をどのように折っているのか?(3) 平面的変形 と立体的変形の特徴

    • Author(s)
      丸山真名美 梶田正巳
    • Organizer
      東海心理学会
    • Place of Presentation
      静岡大学
  • [Presentation] 私たちは、どのように折り紙を折っているのか?(6)「折り図」をみて折ることに関する要因の検討

    • Author(s)
      丸山真名美 梶田正巳
    • Organizer
      東海心理学会
    • Place of Presentation
      岐阜大学

URL: 

Published: 2015-05-28  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi