2014 Fiscal Year Annual Research Report
高次脳機能障害アセスメントの問題点とその対策に関する研究
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24530873
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山下 光 愛媛大学, 教育学部, 教授 (10304073)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 神経心理学 / 高次脳機能障害 / テスト効果 / 半球機能差 / 利き手 / なぞり読み / くすぐったさ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)学習直後にテストを行うことが,後の成績を向上させるテスト効果(testing effect)について,臨床用の記憶検査である Rey Complex Figure(RCF)を用いて検討した。大学生と健常高齢者を2群に分け,一方の群はRCFを模写した直後にそれを再生する直後再生テストを受けた。もう一方の群は模写のみを行った。30分後の遅延再生テストでは,大学生・高齢者ともに直後再生テストを受けた群の方が高い成績であり,テスト効果が確認された。この結果は高齢者の生涯学習や認知症のリハビリテーションに重要な示唆を与えるものである。 (2)大学生を対象に利き手質問紙と,握力,ペグボード,タッピング等片手の運動パフォーマンスを測定する課題を実施した。その結果,各課題の利き手,非利き手の基準データを整備することが出来た。また,質問紙による利き手と,フォーマンスの左右差による利き手の関係を検討し,質問紙の結果と一致しやすいパフォーマンス課題の組み合わせを明らかにした (3)読みのセラピーに使用されるなぞり読みについて,使用する手(左右)と,仮名・漢字の違いに注目した実験的研究を行った。その結果,閉眼状態での他動的ななぞりでも,仮名は非常に高い確率で読めること,構造が単純で使用頻度が高い漢字もある程度読めることが分かった。また,使用手の左右差は認められなかった。 (4)くすぐり刺激の提示方法と,くすぐったさの評価方法に関する基礎実験を大学生を対象に実施した。複数の刺激方法で体のさまざまな部位を刺激し,対象者の自己評定と行動の観察からくすぐったさを評価した。特に足の裏を指で刺激した場合に特に強いくすぐったさが引き起こされること,刺激された部位の左右差はないこと等が分かった。また,自分で自分をくすぐった場合にも,弱いながらもくすぐったさが生じることも分かった。
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Research Products
(6 results)