2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530880
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
土岐 篤史 鹿児島大学, 臨床心理学研究科, 教授 (80567321)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自閉症スペクトラム障害 / 超早期発見 / 乳児期発達徴候 / 乳幼児健診 / スクリーニング / 発達行動学的分析 / 健診事後教室 / 2歳児歯科健診 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,1,2歳という現在の自閉症スペクトラム障害(ASD)の早期発見の時期よりも,さらに以前の乳児期に超早期発見を行うために,障害特性が明確になる段階より以前の非特異的乳児期発達徴候を抽出して,自閉症関連特性との関連を調査し,さらに,健 診事後教室における行動観察により乳児期発達徴候の変移の調査を行うことで,スクリーニング指標を作成する目的をもつ。 平成26年度は,平成24年度、25年度の研究結果を基に,自閉症スペクトラム障害(ASD)の超早期スクリーニング尺度の開発を行った。 本尺度は,4ヶ月児健康診査において,「視線異常」,「表情異常」,「微笑異常」,「姿勢異常」,「リーチング異常」の非特異的発達徴候をもって感度優位のスクリーニングを行う。11ヶ月発達相談においては,「視線異常」,「表情異常」,「微笑異常」,「運動異常」,「指さし異常」,「模倣異常」をもって感度優位のスクリーニングとして,「視線を逸らす」,「前言語発達異常」,「常同的行動」をもって特異度優位のスクリーニングとして,超早期診断の対象とする。1歳6ヶ月児健診においては,「前言語発達異常」,「常同的行動」,「関心限局行動」をもって特異度優位のスクリーニングとして,早期診断の対象とする。2歳児歯科健診においては,「前言語発達異常」,「常同的行動」,「関心限局行動」,「想像性の障害」をもって特異度優位のスクリーニングとして,早期診断の対象とする。 本スクリーニングにおいて,4ヶ月児健診では上記5項目にて感度中心のASDのスクリ-ニングを行えば出生数の約20%をフォローすることになり,2歳の時点で約5%をASDの早期診断できることが期待される。
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Remarks |
近年急増している発達障害である自閉症スペクトラム障害は,現在では1,2歳という早期に発見することができるようになりました。本障害は,さらに早期の乳児期から視線異常や表情異常,さらに,運動面や生理面での軽微な異常を示すことが知られています。 本研究は,乳幼児健康診査や発達支援教室を通じてハイリスク児の行動を詳細に観察し,本障害に関連する乳児期発達徴候を明らかにし,新しいスクリーニング尺度を作成します。
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Research Products
(6 results)