2013 Fiscal Year Research-status Report
複数対面コミュニケーション状況下での視線知覚制御特性の解明
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24530921
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
蒲池 みゆき 工学院大学, 情報工学部, 准教授 (70395101)
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Keywords | 視線知覚 / 注意 / 運動検出 |
Research Abstract |
実場面,および広域ディスプレイ上に配置された複数顔に対し,知覚者からの空間的位置に応じて変動する視線知覚特性を明らかにする.特に,これまで1対1の対面状況で検証された視線定位(どこを見ているか),自他判断課題(自分を見ているか否か),および視線調整(自分や他の人物と目が合うように調整)するという3つの異なる課題を拡張し,新たに広域な空間配置についての検討を行った.なお,これら三つの課題遂行時,被験者の眼球運動および頭部運動を同時に取得する.人間の目は,白目と黒目の部分の輝度変化に高い感度をもち,特に水平方向に対する知覚感度が高いとされている.視線知覚に感度が高い水平方向に複数他者の顔が配置されている場合,顔に特異的に応答する紡錘状回や,視線知覚との関与が指摘されているSTS などの視覚領野に抑制もしくは促進の応答がある可能性がある. 上記場面を想定した人間の運動検出に関わるメカニズムの解明として,本年度は広域顔画像提示、および複数人の視線知覚特性についての心理物理データを正確に取得することができた.補助者が日本視覚学会において発表を行い,論文執筆に当たっている. また,「不注意による運動検出感度の向上」に関してのプロジェクトを取りまとめ,研究代表者が国際学会(VSS2013)にて発表を行った.これについても共同研究者とともに英文での論文執筆を行っている.また、新規に開始した「要素パターンの方位が広域運動知覚に与える影響」について、および「顔以外のパターン学習におけるマガーク効果生起」についての2テーマについて、成果を早急にまとめた結果、2014年度に開催されるVSS2014での発表が受理されたため、発表を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロジェクトとして計画した実験はおよそ終了し,最終年度に研究成果の報告を行う段階であり,おおむね順調に進められている. 研究成果の一部は,2013年度に日本視覚学会大会,および2014年度に開かれるVSS2014でも研究補助者が筆頭のものを含めて2件受理されており,発表を予定している.学術誌への投稿準備を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
コミュニケーション活動における,より実際的かつ広い空間内での視線知覚特性を明らかにするためには,神経科学,工学などの分野との共同研究が必須となる.また研究プロジェクト規模は大きく発展できることが期待されるため,他分野との共同によるワークショップ・シンポジウム開催などを行うべく将来的にはコンセンサスが高められるような論文公表が必要とされることを認識している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していたPC購入の予算使用を、次年度に回し、使用したいため。 PC購入に利用する。
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Research Products
(5 results)