2012 Fiscal Year Research-status Report
日独性教育比較に基づいた、性教育における男子支援に関する研究
Project/Area Number |
24531031
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
池谷 壽夫 日本福祉大学, 子ども発達学部, 教授 (90136367)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 性教育 / ジェンダー / 男子支援 |
Research Abstract |
1.本研究をスムーズに行なうために、連携研究者として3名の方の協力を得た。 2.研究と調査を深めるために、5回の研究会をもった。第1回(2012年6月2日)では、本研究の趣旨と狙いを受けて、今年度の課題と取り組みを確認し、9月予定のドイツ基本調査の課題(①ドイツにおける性教育の到達点と課題をさぐる、②今後のアンケート調査の共同研究の協力依頼)と訪問先を検討した。第2回(2012年7月29日)では、9月調査日程の確認とそれに向けての準備として、ドイツにおける性教育の現状と課題について研究交流を行った第3回(2012年11月11日)では、後述するドイツ調査の報告とまとめを行うとともに、日独生徒の性意識・性行動アンケートを検討するために、日本の保健教科書の性知識の問題点を報告・討議した。第4回(2013年1月6日)、第5回(2013年2月16日)では、集中的にアンケートの内容・項目を検討し、「中学生の性意識と性知識に関するアンケート調査」(案)の日本語版とドイツ語版を作成した。 3.ドイツ基本調査では、ドイツ連邦健康啓発センターとハンブルク州教員教育・学校開発研究所で相互の性教育実態の交流を行うとともに、予定していた研究者を訪問して、アンケート調査の協力を依頼し、以下のことを確認することができた。(1)メルセブルク大学(東)のコンラート・ヴェラー教授、ハンブルク学校開発研究所のベアーテ・プロル、キール大学のウヴェ・ジーラート教授、フレンスブルク大学ユルゲン・ブッデ教授の協力を得て、日独中学生の共通アンケートを行う。(2)そのために、①池谷のほうでアンケート草案、学校・親への協力依頼文書などを作成した上で、ドイツの各大学夏学期の間にアンケート内容、実施の方法等を検討する。(3)アンケート実施時期は2013年10月以降とする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初24年度には、次の3つの課題の達成を予定していた。すなわち、(1)これまでの本研究者の研究到達点を踏まえて、ドイツにおける性教育の基礎的な文献の収集・補充と研究を行うこと、(2)ドイツにおける性教育に関する第1次調査(基本調査)を行い、今日のドイツにおける性教育の現状と課題を明らかにしていくこと、(3)ドイツの性教育学研究者との研究交流を行い、男子の性意識・性行動に関するアンケート調査項目の検討を行うこと、の3つである。 以上の課題それぞれについて評価すれば、(1)についてはほぼ達成することができた。また(3)についても、「研究実績の概要」でも書いたように、ドイツの性教育研究者たちの協力を得ることで、プロジェクトとして日独生徒アンケート調査を行うことができるようになった。またアンケートの調査項目も、日本語版とドイツ語版の「中学生と性意識と性知識に関するアンケート調査」としてまとめることができた。 ただし、(2)について、とくに教育省や学校での聞き取り調査は、当初2013年3月に第2回の調査をする予定であったが、業務等でできず、その結果日程の短さもあって、十分には行うことができなかった。これが当初予算の未使用につながった。それゆえ25年度には教育省・学校での聞き取り調査が1つの重点となる。 このように全体としてみれば、おおむね順調に研究が進んでいると見ることができる。
|
Strategy for Future Research Activity |
25年度には、①日本とドイツの研究者のアンケート調査項目についての十分な相互検討と意思疎通が必要となる。また②「現在までの達成度」で書いたように、ドイツの教育省・学校での聞き取り調査が重点の一つとなる。そのために、ドイツでの打ち合わせや調査のための日程をできるだけ長く確保できるようにしたいと考えている。 またアンケート調査の実施をスムーズに行うために、日本におけるアンケート調査協力校を開発することが、25年度には、今後の研究を推進するための重要な取り組みとなる。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度には、予定していた第2回の調査ができなかったために、未使用額が生じてしまった。 そこで25年度の研究費の使用では、2つのことが重点となる。1つは、研究を推進するためにも、長期のドイツ調査のために十分な日程と旅費を確保することである。今年度は2回のドイツ調査を予定している。 もう1つの大きな費用項目は、アンケート調査にかかる費用である。アンケートの作成、依頼と配布・回収、分析などそれに伴う人件費などが必要となる。 以上の2つの重点項目に十分に配慮しながら、適正な研究費の使用を計画している。
|
Research Products
(3 results)