2014 Fiscal Year Research-status Report
日独性教育比較に基づいた、性教育における男子支援に関する研究
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24531031
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Research Institution | Ryotokuji University |
Principal Investigator |
池谷 壽夫 了徳寺大学, 健康科学部, 教授 (90136367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茂木 輝順 女子栄養大学, 付置研究所, その他 (40570677)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 青少年(日本、ドイツ) / セクシュアリティ(日本、ドイツ) / ジェンダー(日本、ドイツ) |
Outline of Annual Research Achievements |
1.本研究をスムーズに進めるために、今年度は1名の研究分担者と1名の研究連携者の協力を得た。 2.昨年度3月25日に日本とドイツの第2回の会議で確認された4点(①国際的アンケートはパイロットスタディとすること、②理論的フォーカスとして「男らしさ」とジェンダー・アイデンティティ、性的指向の2つの柱を立てること、③3か国の質問項目については2014年4月までに完成させ、今年度中にアンケートを実施すること、④2015年3月に3回目の日独会議を開催すること)を踏まえて、今年度はアンケートを確定し、実施・分析することが主要な研究課題であった。 3.研究課題を実行するために、今年度は5回の国内研究会を持ち、アンケートの内容、項目および実施について検討を行った。 4.ドイツの研究者とアンケートの内容、項目についてやり取りするなかで、「ドイツ、日本、インドネシアにおける青少年のセクシュアリティ研究に関する取り決め」(2014年9月)を結び、研究の理論的コンセプトとアンケートの構成、方法、実施と処理を確認した。これによってアンケート対象者を15~18歳に変え、各国で最低250人分のアンケートを回収することになった。 5.それにもとづいて最終的なアンケートを日本版とドイツ語版で作成し、了德寺大学生命倫理審査を受け(2014年9月)、日本では11月から高校と大学(1年生)、ドイツでは中等学校でアンケートを実施した。その結果、日本では1504人のアンケートが回収され、ドイツでは、現在のところ190人分が回収された。その後、日本側では素データを得ることができた。インドネシアからは情報が得られていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の研究計画からすると、2015年3月までに素データの分析を終える予定であったが、今年度はアンケートの回収と素データの入手にとどまった。 その理由は以下の2点である 1.ドイツ側と交渉する中で、①両国共通の研究上の理論的コンセプトを確認する中で、質問項目の修正を余儀なくされたり、②アンケートの対象が中学生(13~15歳)ではなく、15~18歳に変わったことなどによって、アンケートの作成に時間がかかったこと。 2.アンケートを実施する際に、依頼志引き受けてくれる学校の選定が難しく、アンケートの回収に時間がかかったこと、そのために最終的なデータ入力が遅れた。 以上の理由から、今年度はドイツの学校調査を行うことができなかった。 しかし、ドイツ側との丁寧なやり取りの中で、研究の理論的コンセプトが明確化されアンケートが精緻化されたことは、評価することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
1.今年度は、アンケート調査の詳細な分析をすることが最優先の課題となる。日本側の分析を進めると同時に、ドイツ側の分析と調整しながら、比較検討するなかで、日独の男子が抱えている性教育上の課題を明らかにする。 2.それと並行して、これまでの男子に関する性教育の文献の収集と分析を行い、日本における男子の性教育上の固有の課題を明らかにする。 3.1の分析結果を学会で発表し、精緻化していく。
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Causes of Carryover |
今年度は、日独とのアンケートをめぐるメールでのやり取りに基づいたアンケートの作成と実施に追われて、ドイツでの学校・社会教育施設での聞き取り調査を実施することができなかったことが最大の理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
日独のアンケ―トの分析結果がある程度出た時点で、日独の会議を実施するととも前年度できなかったドイツ調査を行う。
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Research Products
(18 results)