2015 Fiscal Year Annual Research Report
外国語活動に関する児童の好き嫌いの度合いと学級担任の満足度
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24531099
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
猪井 新一 茨城大学, 教育学部, 教授 (80254887)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 外国語活動 / 英語 / HRT / 授業好意度 / 英語教員免許 / 学級担任 / ALT |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでのデータを統合し,再度分析を行い,研究成果報告書として冊子を作製した。最終的には,茨城県内の公立小学校8校,計50クラスより児童のデータを収集した。その内訳は1~4年生クラスが18クラス,5年生クラス14クラス,6年生クラス18クラスであった。主に,5,6年生児童979人のデータを分析した。指導教師は学級担任(HRT)43人,JTE(日本人専科英語教師)3人の計,46人である。 HRTの英語教員免許の有無は,児童の外国語好意度や英語授業好意度,英語学習意欲,活動への自信度のいずれとも相関関係は見いだせなかった。つまり,英語教員免許の有無は,HRT自身の外国語や英語授業の好意度には影響を与えているが,児童の英語学習の情意面には何ら影響を与えていないのである。この主たる原因は,ほとんどのHRTはALTとのティームティーチング(TT)において,自らが主となって授業を計画したり展開することはなく,ALTのサポート役を演じているためと考えられる。このようなTTでは英語教員免許の有無は児童にとって,さほど重要ではないと思われる。 HRTの外国語活動満足度は,児童の回答項目(外国語好意度,英語授業好意度,英語学習意欲,活動への自信度)のいずれとも関係は見られなかった。唯一関係があった要因は,英語授業の時間数である。外国語活動の授業時数が増えると,HRTの外国語活動満足度が下がる傾向にあった。英語特区と英語非特区を比較すると、その傾向が顕著に観察された。 以上の結果から,HRTの外国語や英語授業に対する態度や英語教員免許の有無が,児童の英語学習にはさほど影響を与えていないことが明らかになった。訪問した小学校の外国語活動は,授業の計画・実施をALTにかなり依存したものであり,HRT中心によるものでないことが主な原因であると思われる。今後は,児童の授業好意度を調査するためには,外国語活動授業そのものの分析が必要である。
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Research Products
(4 results)