2013 Fiscal Year Research-status Report
基礎数学学習にスペシャル・ニーズのある子への教育介入データベースの活用開発
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24531148
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小田切 忠人 琉球大学, 教育学部, 教授 (00112441)
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Keywords | スペシャル・ニーズ / 知的障がい / 発達障がい / 数 / 十進法 / 概念的理解 / 手続き的理解 / 学習矛盾 |
Research Abstract |
【治療的な教育介入とデータの収集】 特別支援学校中等部に通うダウン症の子どもと軽度の知的障害がある成人にについて、十進法概念の獲得を目標に教育介入を継続し、その学習達成への展望を観察し、その過程を2102年度にICME12(TSG4)で発表した(Mathematical Achievement and Creatibity Inherent in Children with Special Needs)。2013年度は、その後の学習達成の様子を観察し、十進法概念獲得過程の、学習達成の不十分さと、その学習の段階に続く、より確かな学年獲得への過程を観察した。具体的には、概念的な理解と言える学び直しの様子を観察し、いまも、両被験者に対して教育介入と観察を継続している。なお、自閉的な生徒への教育介入と観察は、高校を卒業したのを機会に終了した。この被験者への教育介入記録は10年間にわたるものとなった。 【Webデータベースの作成】 民間のWEBサーバー・サービスを利用して、データベース・システムを開発してきたが、そのシステム(β版)を大学のサーバーに移植した(http://www.dbmath123.edu.u-ryukyu.ac.jp)。一般ユーザー(小学校や特別支援学校の教員)に一部開放し試用に入る準備をした。 【データベース活用開発のための研究会等】 現場の教師らとの定例研究会、デンマークへの訪問調査(ストランドゴースコーレン、オーフス大学他)、数学教育協議会の全国大会などで、研究成果の交流をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
収集データの入力作業(電子化)が少し遅れている。A4紙(被験児の学習結果)を一枚ずつ高画質で読み取る作業は、紙が折曲がったりしているため人手で行う必要があるためである。しかも、データの読み取りミスや検索のためのコード化ミス(ファイル名で検索できるようにしている)があるとデータベースとして機能しなくなってしまうので、補助員を増やせない事情がある。同じ理由で外注も検討しているが、今のところ、検討中である。いままで一台のパソコンを使っていたが、二台のパソコンが使えるようにして、作業の進行を図りたい。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更はないが、一部作業に遅れがあるので、その点を加速すべく取り組む。具体的には、以下のとおりである。 ・収集データの電子化(読み取りミス防止と、検索のためのコード化作業のため、人手によるスキャナーによる読み取りを行う)を、補助員を増やして対応する。 ・教育介入とデータ集雌雄を継続する。データベース活用のため、教育現場における事例の収集も進める。 ・開発システムの、デバックと改良をおこなう。 ・収集データの公開を一部開始し、開発システムの使用を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
イメージスキャナによるデータの読み取りを人手で行う必要がある。その補助員を前年度経験者に絞って調整したため、十分に補助員の確保ができなかった。一台のパソコンを使用して作業を行ったため、同時に二人が作業を行えなかった。 入力用のパソコンを二台にし、入力作業の進行を図る。
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Research Products
(1 results)