2014 Fiscal Year Research-status Report
基礎数学学習にスペシャル・ニーズのある子への教育介入データベースの活用開発
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24531148
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
小田切 忠人 琉球大学, 教育学部, 教授 (00112441)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スペシャル・ニーズ / 障がい / 算数・数学 / ニューメラシー / 学習困難 / 学習達成 / 教育介入 / 治療的教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
算数(基礎数学)の学習にスペシャル・ニーズがある児童・生徒への学習介入の過程と結果の仔細をWEBデータベース化のためのデータの電子化(スキャナーによる読み取り)を八割程度終了し、公開の準備を終えた(http://www.dbmath123.edu.u-ryukyu.ac.jp/)。WEBデータベースdbmath123の活用のための運用補助システムとして、スタンドアロン・データベース・システムおよびその被験児管理データベース(hikenjidb,hikenjidb2)を再構築した。 データベースdbmath123の活用を進めるため、収集データの概要(被験の児童・生徒の学習困難と教育介入後の学習達成)を作成した。それを、「算数にスペシャル・ニーズのある子どもたち」と題して『数学教室』(国土社)No.749~No.760(2014.4~2015.3)に連載した。 “幼さが見られる「クリスティ」”、“bとdを区別できない「ヤン」”、 “手のかかる「マット」”、“覚えても覚えきれない「マイク」”,“学習障がい?の「マサ」”、“間違って覚える「ヤス」と変わった子の「マコ」”、“水頭症の「タク」”、“心肺停止を乗り越えた「タツ」”、“自閉的な「ナック」”、“ダウン症の「イク」”、“知的障がいのある「アユ」”。 データベースは広く教育現場の教師や研究者に公開する。ゲストでログインするプラットホームと会員でログインするプラットホームを準備している。すべてのデータにアクセスするためには、会員登録が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不正侵入などに備えて、WEBデータベースをネットワーク上に構築した。スタンドアロン・データベースをネット上に公開し、不正アクセスを受けシステムがダウンした経験を踏まえ、スタンドアロンのミラーをニットワーク上におくように設計したため、システムが複雑になり、公開が遅れていた。しかし、WEBデータベース・システムを民間のサーバーから大学のサーバーに移し替えを終え、運用可能となっている。かつ、ダウンしていたスタンドアロン・データベース・システムを再構築したので、文字通り、スタンドアロンで更新したデータをアップすることによってWEBデータベース運用が簡潔になった。また、データの電子化(イメージスキャナーによる一枚一枚の読み取り作業)も、最終研究年度内に終える見通しが立っている。
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Strategy for Future Research Activity |
電子化データ(イメージスキャナーで読み取ったデータ)を、公開用のデータに変換し、WEBデータベースにアップする。会員登録を受け付ける。公開データベースの活用を進める。公開しただけでは教育現場の活用は進まないので、「出前」よろしく出かけて、スペシャル・ニーズのある子どもの学習達成を診断し、データベース中の、どの事例が参考になるか示唆し、その子どもへの教育介入を支援する。それらの教育介入も、可能な範囲で(保護者や担当教師の理解承諾が得られる範囲で)データベース化し、スペシャル・ニーズのある子どもたちへの教育介入を成功的に進めるための、教師と研究者が協同するプラットホームと機能充実を図る。
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Causes of Carryover |
データの電子化(イメージスキャナーによる読み取り)は、一枚一枚人手で行う必要がある。その作業の終了を見込むため、作業補助要員を増やす必要があった。そのために、他品目の使用を控えた。結果として、他品目に予定していた分を、次年度に繰り越すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データベース活用開発は、そのデータべスの内容紹介するだけでなく、使い方、生かし方を説明する必要がある。特に、教育現場の教師に対しては、彼らが担当する子ども一人ひとりに即して、データベースの内容のどこをどのように参照利用するかを、具体的に説明する必要がある。そのためには、教育現場に出向き、子どもの学習達成を診断し、学習の課題がどこにあるのかを現場教師と共有し、継続的に現場教師のスペシャル・ニーズある子どもに対する教育介入を支援する必要がある。繰り越し分はその旅費に充てる。また、開発システムのデバッグと改善も不断に求められるので、他品目については予定通り使用する予定である。
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Remarks |
ゲスト・プラットフォームと会員プラットフォームがあり、会員プラットフォームに入るためには会員登録が必要である。
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Research Products
(3 results)