2014 Fiscal Year Research-status Report
英語の授業における意見・考えの表出を求める効果的な指導法の研究開発
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24531159
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Research Institution | Jin-ai University |
Principal Investigator |
紺渡 弘幸 仁愛大学, 人間学部, 教授 (60340030)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 指導法 / 意見・考え / タスク / スキル統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究においては、平成25年度に開発したスキルを有機的に統合して、学習者がスムーズに意見・考えを表出できるように工夫したAgree/Disagree Task(AD Task)およびProblem-solving Task(PS Task)を用いた指導を繰り返し行い、その有効性の再検証を行うとともに、この指導法の課題について検討した。 まず、PS Taskに関して学習者のライティングのfluencyや作文の評価、学習者のタスクを用いた指導に関する意見に基づいてこの指導の有効性を検証した。その結果を平成26年度中部地区英語教育学会山梨大会で発表し、論文にまとめ同学会紀要第44号に掲載した。このPS Taskについては、効果が認められた一方で、課題が明らかになったので、その点を改善してあらためて実践した。 英語の授業における「意見・考え」の表出を求める効果的指導法の研究開発に関連して、第38回東海北陸公立中学校英語教育研究会福井大会で記念講演を行った。この講演の記録は福井県英語研究会会報第73号に収録された。 また、AD Taskにおいて学習者が書いた作文をcomplexity, accuracy, fluency(CAF)の観点から分析し、さらなる指導法の検証を行ったところその有効性が認められた。このCAFの観点からの検証結果を論文にまとめて、仁愛大学紀要第13号に掲載した。さらに、プロジェクト会議を行い、AD Taskを研究協力者の勤務校で実施し、必要なデータを収集し中学校、高等学校における実施可能性とその効果を調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成26年度の研究では、平成24年度および平成25年度の研究で開発した英語の授業において学習者に「意見・考え」の表出を求めるタスク(AD Task・PS Task)の効果の再検証を実施するとともに、問題点の改善を行って実践し、あらたにデータを収集した。 AD TaskについてはCAF(complexity, accuracy, fluency)の観点から分析し、さらなる指導法の検証を行ったところその有効性が認められた。PS Taskについては、ライティングのfluency、作文の評価、学習者のタスクに対する意見からその効果を検証するとともに、認知的負荷の観点からタスクを段階づけることにより習熟度に対応すること、主要な誤りについて明示的な文法指導を行うerror correctionを指導プロセスに組み込むことを提案した。 一方、研究協力者との連携がそれぞれの勤務校の諸事情により予定通り進捗せず、開発した「意見・考え」の表出を求める指導法を習熟度の異なる中学校および高等学校の授業で実践し、記録したデータを分析・考察してその効果を検証することに遅延を生じ、効果的な指導法の最終案をまとめるには至っていない。このことと関連して、本研究の成果と教育的示唆をまとめるために予定していた研究報告書の作成にさらなる時間を要することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は以下のように研究をすすめる予定である。 (1)「意見・考え」の表出を求める指導法の効果のさらなる検証-開発した「意見・考え」の表出を求める指導法を実践して蓄積したアウトプット・データ(学習者のスピーチおよび作文)を量的・質的側面から分析し、提案した指導法の効果についてさらなる検証を行う。 (2) 習熟度の異なる学習者に対する提案された指導法の効果と課題の探求-中学校・高等学校における本指導法の実践を振り返り、収集したデータに基づいて提案された指導法の効果を検証し、課題を明らかにする。 (3)プロジェクト会議の実施-「意見・考え」を表出させる効果的な指導法(最終案)について協議し、研究協力者のフィードバックを得て完成する。 (4)学会発表と報告書作成-研究成果について中部地区英語教育学会および全国英語教育学会で発表するとともに、論文や報告書にまとめる。
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Causes of Carryover |
研究協力者との連携がそれぞれの勤務校の諸事情により予定通り進捗せず、開発した英語による意見・考えの表出を求める指導法を習熟度の異なる中学校および高等学校の授業で実践し、記録したデータを分析・考察してその効果を検証することに遅延を生じた。このことと関連して、本研究の成果と教育的示唆をまとめるために予定していた研究報告書の作成にさらなる時間を要することとなり、未使用が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
開発した英語の授業における意見・考えの表出を求める指導法の効果を中学校および高等学校を含めたより広範なレベルにわたって検証するための授業実践におけるデータの分析・考察やそのプロジェクト会議のための旅費、研究開発に関するさらなる学会発表の旅費、最終的な研究成果をまとめる報告書作成等の経費として使用する。
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Research Products
(4 results)