2014 Fiscal Year Research-status Report
間伐材・低質材等の木材資源を有効利用する造形用素材及び環境教育教材の開発
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24531183
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
林 耕史 群馬大学, 教育学部, 教授 (50556743)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 原木縦挽製材 / 歩留まり / 積木 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究3年次は,主に次の2課題に取り組み,成果を上げてきた。 1 木材を用いた彫刻制作および造形用素材開発 歩留まりを高くする木材の使用法を継続して試行。入手した原木を自らチェンソーで縦挽きし,柱状材並びに板状材を多数切り出す木取りに一定の安定性を保つことができるようになった。さらに,ここで得られた材を用いて彫刻の構成をおこなった。これにより造形された彫刻作品は,第88回国展,第9回国展群馬に出品した。これらの制作についての状況と考察を『群馬大学教育学部紀要第50巻』(2015年2月発行)に「原木縦挽製材による板状・柱状材を用いた彫刻制作-「漂泊」「月が眠る山」の制作を通して-』として発表した。また,これらの技術を生かした造形用素材の開発も進めた。2年次から試行を継続している積木様の直方体木片の製作である。板状材を,バンドソー及び自動カンナ盤を使用して整え,直方体木片への加工を繰り返した。試作では,木片の各辺の比を1:3:6,1:2:4,1:1:4などに設定したものを製作。それらの中から,基尺1㎝として,1:3:15の木片に造形応用性を見出し,この比率での試作品製作を進めることとした。 2 森林資源運用の実際と保全事業視察 3年次も福島県南会津郡における「伐倒製材見学会」に参加。原木伐倒の実際と原木の価値を生かす有効な製材の在り方の実際を見学し,木材資源を大切にする点で環境教育にも結びつく知見が得られた。 以上の成果が得られてきたが,1の造形用素材開発において,幼児・児童生徒の造形活動の実際場面での検証まで至っていない。科研費補助事業期間延長が承認されたので,平成27年度に,継続研究をおこない,検証並びに研究発表をおこなっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
原木縦挽製材の技術開発と,木製の造形用素材開発は,彫刻制作並びに「積木」試作が継続できたことで一定の成果を上げている。しかし,造形用素材である積木を,幼児,児童生徒に供し,図画工作や美術など,実際の造形活動場面での使用状況を検証する段階に至っていない。ここでの検証を踏まえた上で,研究をまとめたいので,「やや遅れている」とした。尚,この研究の「期間延長」が承認済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
科研費補助事業期間延長が承認されたので,平成27年度に継続研究をする。 造形用素材として「積木様木片」の試作を継続すると共に,幼稚園,小学校,特別支援学校などで,実際に幼児・児童に供し,その素材の造形教育場面での効果について検証する。対象の校園は,群馬大学附属学校園を予定している。また,研究成果を学会等で発表予定である。
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Causes of Carryover |
試作を続けている造形用素材である積木様木片を,幼児,児童生徒に供し,図画工作や美術など,実際の造形活動場面での使用状況を検証する段階に至っていない。ここでの検証を踏まえた上で成果発表をおこないたいと考えており,その為に未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
造形用素材として「積木様木片」の試作を継続すると共に,幼稚園,小学校,特別支援学校などで,実際に幼児・児童に供し,その素材の造形教育場面での効果について検証する。研究成果を学会等で口頭発表すると共に論集等への投稿予定である。これらのために,材料費,加工費,学会発表費等にあてる計画である。
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[Presentation] 月が眠る山2014
Author(s)
林 耕史
Organizer
第9回国展群馬
Place of Presentation
高崎シティギャラリー(群馬県)
Year and Date
2014-09-12 – 2014-09-17
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