2012 Fiscal Year Research-status Report
手作り百人一首「セレクト20」を使った小学校国語科の授業開発
Project/Area Number |
24531202
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
菊川 恵三 和歌山大学, 教育学部, 教授 (00204826)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 百人一首 / カルタ / 伝統的言語文化 / 新しい教材 |
Research Abstract |
新しい教材、手作り百人一首セレクト20(以下セレクト20)を用いた授業を、和歌山大学附属小学校では3年3クラスと、5年2クラスで実施した。また、和歌山市立雑賀小学校に依頼して、5年4クラスで実施することができた。 これは事前に計画した和歌山大学附属小学校の複数学年だけではなく、市内の一般校というより広い学年を対象とすることができたので有意義だったと考える。 また、その中身についても、単にカルタの授業をするのではなく、附属小学校3年では地域学習と連動させ、玉津島神社を中心とした地元和歌山の学習とあわせて学習した。雑賀小学校ではカルタ遊びを授業参観に活用することで、保護者をまきこんだより広範囲な学習として実行できた。 これらの授業を実施するに当たり、事前の研修や注意事項の確認をしたため、先生方も安心して取り組んでいただいた。子供たちにも大好評だったことは、先生の報告やアンケートからもうかがえた。 ただし、初めて経験する先生にとっては、驚きや戸惑いがあったようで、カルタの寸法の注文、この教材を十分に生かせなかったとの反省も寄せられた。また、百人一首から20首をセレクトする作業そのものが、先生や子供たちの学習意図と連動していくことがわかった。これらの意見こそ実際の現場の声として、今後最も大切にしていくべきものとの認識を新たにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前までの実践は、個人的に親しい先生の単独クラスだったが、学年全体で取り組んでいただいた。その結果、これまで百人一首やカルタを経験したことのない先生にも経験していただき、貴重な意見が聞けた。 また、国立大学附属と市内の一般校という異なるタイプの学校で実施したことで、より広く実践例をあつめることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年は、昨年度実践していただいた先生方を中心に、二つの小学校で学年数を増やしてセレクト20を使った授業実践を行いたい。昨年初めて経験した先生が、新しい学年でどのようなアイデアで授業を展開していくのか、協働して考えていきたい。加えて、中学での協力者を求めて、一緒に実践していこうと考える。また今年度は、成果を論文の形でまとめたり、国語教育学会での発表につなげたいと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実施クラス数が増えてきた(今年は250、来年は300超)ので、セレクト20の材料費が必要になってくる。さらに、その数は増えそうなので今後この費用が増加すると考えられる。この他、指導と打合せ、資料収集、学会発表のために旅費が必要になってくる。
|