2013 Fiscal Year Research-status Report
手作り百人一首「セレクト20」を使った小学校国語科の授業開発
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24531202
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
菊川 恵三 和歌山大学, 教育学部, 教授 (00204826)
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Keywords | 百人一首 / カルタ / 伝統的言語文化 / 音読・群読 / 国語と図工のコラボ |
Research Abstract |
大学で独自に開発した百人一首カルタ「セレクト20」を用いて、和歌山大学附属小学校3年生3クラス、和歌山市立藤戸台小学校4年生3クラスで研究授業をそれぞれ2時間実施した。また、今年度の新たな試みとして、有田川町立石垣中学1~3年生でも研究授業を実施した。 本年度は昨年のカルタ遊びとカルタ作りを踏まえつつ、発展的に色紙作りを実践した。これは、色紙に毛筆あるいは硬筆で歌を筆写し、千代紙を切って花びらや川の流れを表現したもので、国語の伝統的言語文化と書写、図工を合体させたものである。また、音読を発展させ、大学生の和歌の群読と平家物語の群読を披露した。いずれも「遊びから学習へ」の道筋を多彩に用意することで、従来のテキスト読解だけではない、新しい古典学習への方向を模索した。 児童・生徒の感想からは、カルタの楽しさだけでなく、色紙作りへの関心がうかがえた。特に、中学生は大学生の群読に感銘を受けたとの記述がみられ、来年に向けての手ごたえを感じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小学校に加えて、新しく中学校での実践研究を実施することができた。その中で、カルタに対する児童・生徒の好意的な反応が続いており、新しい教材としての可能性が確かめられた。 また、そこから「色紙作り」や「音読・群読」へ発展させていく方向性が確かめられたので、おおむね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は次の2点を中心に研究をすすめたい。 ①昨年度に実施した児童・生徒を対象にした、2年目の研究授業 すでに、このカルタを経験している児童・生徒を対象とすることで、学習の発展と深化がどのようになされるかを検証したい。特に、百人一首の朗詠や暗誦がどのように定着するかを考える。 ②教員にこの教材を体験してもらい、意見を聞く 毎年実施している、教員免許更新講習において、「百人一首カルタを用いた古典学習」の講座を開設し、小・中の先生方に実際に体験し意見をうかがう。 これらの授業研究・教員の反応を基に、学会発表と論文作成を考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費のうち、千代紙の購入代金が少なくなった。これは、一昨年度分が予想以上に少なかったのでそれを回した結果、余ってしまった。 本年度は研究授業の実施数を増やすつもりなので、余りは出ない見込みである。
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Research Products
(1 results)