2014 Fiscal Year Annual Research Report
手作り百人一首「セレクト20」を使った小学校国語科の授業開発
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24531202
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
菊川 恵三 和歌山大学, 教育学部, 教授 (00204826)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 百人一首 / カルタ / 音読と朗詠 / 群読 / 色紙作り / 教科横断 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、24年度から続けてきた百人一首カルタ「セレクト20」の改良と活用方法の開発のため、和歌山大学附属小学校、藤戸台小学校、さらには田中小学校(紀の川市)でも研究授業をおこなった。 この結果、研究機関の3年間で、延べ23クラス約650人をこす小学生に授業を実施した。この他、石垣中学(有田川市)に出向き、3年間発展的に研究授業を実施した。 また、本年度は成果報告の年度と位置付けているので、紀要論文1本、商業誌への寄稿に1本掲載するとともに、全国大学国語教育学会(筑波大学大会)でも口頭発表を実施した。これらの論文・発表を通して、次のようなことが明らかになった。 カルタ遊びは小中で同じように楽しむことができる一方、小学校では勝負に熱中するあまりの問題行動への対応、中学では日ごろの仲間づくりの問題対応の必要性が明らかになった。また、カルタから発展させた色紙作りを通し、小学生は歌に詠まれた景物(富士山や鳥)などを模倣するのに対し、中学生は恋のイメージをデザイン化する。これは美術の問題だけではなく、自分の知った言葉に反応する小学生と、全体を理解しようとする中学生のように、歌の理解とも関係があることが分かった。 また、カルタ遊びが暗唱へつながると予想していたが、それ以上に歌の朗詠を耳で聞き口で唱えることで、古典の言葉とリズムが定着することを確認し、それこそが「古典入門」への最大の功績だと気づくことができた。そこから発展する、音読や群読を中心とした、新しい古典入門方法の基礎的研究になると確信している。
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Research Products
(3 results)