2014 Fiscal Year Research-status Report
「何をどれだけ食べたらよいか」-食育と家庭科を結ぶ体系的・系統的な教材の開発-
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24531204
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
宇高 順子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (60116994)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 料理容積法 / 食事バランスガイド / 食品群別摂取量 / 献立作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
中学校・高等学校家庭科の食生活に関する学習において、「何をどれだけ食べたらよいか」の量の把握が最も困難とされてきた。中学校技術・家庭の教科書には、従来「食品群別摂取量」と「ポイント制」が記載されていたが、いずれも料理前の可食部量で表すことに加え、「ポイント制」は食品群により単位が異なる等により、わかりにくいと指摘され、後者は近年、教科書からの記載がなくなったところである。一方、小学校における食育では「食事バランスガイド」を取り上げている学校もある。これは、食べ物を献立要素でグループ分けし、量を独自のサービング単位で表すもので、これを学んだ児童が、中学校家庭科で食品群別摂取量を学ぶと混乱する可能性が高い。 研究代表者は、「食品群別摂取量」と「食事バランスガイド」の橋渡しの役割となり、喫食者にもわかりやすい量的把握方法として、食品群別摂取量を調理後の食品容積で表す「料理容積法」を開発し、各学校段階における実践的学習内容の検討を進めている。 平成26年度は、主に中学校の献立学習における「料理容積法」教材として、小・中学校家庭科教科書の調理実習教材を中心とする1日分のバランス献立作成Web教材の開発を行った。その結果、新たに2つの問題が見えてきた。一つは小・中学校家庭科教科書の調理実習教材が、バランス献立学習にふさわしい分量とは限らないこと、もう一つは、Web教材を試用実践したところ、学習者はバランス献立の作成が難しく、バランス献立の考え方がわかる誘導や仕組みが必要であることである。平成27年度はこれらの点を修正改良して実践検証を行い、研究をまとめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者が開発した料理容積法を用いて、これまでに、小学校における1食分のバランス献立作成教材の開発、中学校以上のバランス献立作成Web教材等の開発を行ってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に、主に中学校の献立学習における「料理容積法」教材として、小・中学校家庭科教科書の調理実習教材を中心とする1日分のバランス献立作成Web教材の開発を行った結果、2つの問題が見えてきた。一つは小・中学校家庭科教科書の調理実習教材が、バランス献立学習にふさわしい分量とは限らないこと、もう一つは、Web教材を試用実践したところ、学習者はバランス献立の作成が難しく、バランス献立の考え方がわかる誘導や仕組みが必要であることである。平成27年度はこれらの点を修正改良して実践検証を行い、研究をまとめる。
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Causes of Carryover |
平成26年度に、献立Web教材の開発を行い、実践検証を踏まえて研究をまとめる予定であったが、教材に優先的に載せるべき小・中学校家庭科教科書の料理レシピが、バランス献立学習にふさわしい分量とは限らないことが判明した。そこで計画を変更して、教科書の全レシピを計量調理して献立学習に適する量を確定し、献立評価法を改善することとしたため、実践検証に至らず、未使用学が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
このため、教科書の全料理レシピを計量調理して、献立学習に適する量を確定しなおし、献立評価法を改善した上で、実践検証を集積しまとめる。また、要望の多かった、日常的な多くの料理を掲載した、教材の一般向けコースも作成する。
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Research Products
(2 results)