2015 Fiscal Year Annual Research Report
過疎地域における住民参加型の特別支援教育体制の有効性:心理-教育的支援を通じて
Project/Area Number |
24531258
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
小林 健史 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 助教 (60583903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 竜作 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 准教授 (00411372)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 子育てサポート・メンタルマップ / 鳥瞰図 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度に作成した子育てサポート・メンタルマップ(以下、マップ)を用いて子育て相談を行った研究成果を論文としてまとめた。マップでは、主観的にサポート(関係性)を受けていることを矢印の方向性だけでなく、その強さを線の太さによって表現するよう以下の教示により求めた。相談者には紙面を提示し、「自分と子どもから,サポートを受けるために関係をもっている人や場所へ、矢印を引いてください。そして、サポートを受けていると感じている人や場所から自分と子どもの方向へも矢印を引いて下さい。よりサポートを受けていると感じている場合はその線を太くして描いてください。」と教示した。我々は、描かれたマップの線の方向や太さを頼りに、相談者とともに児童への対応の仕方を考えた。 報告した症例は、読み書きに問題を持つとされた小学校高学年であった。観察と初期評価から助言1)学習の問題については、担任と相談し宿題をなくすことで母親による家庭学習の支援による否定的な反応を生じないようにすること、助言2)問題行動については、母親には休日は可能な限りA児と父親とで遊ぶことと、夫婦間調整を行うことを助言し、経過を観察するように伝えた。再評価までの3ヶ月間は助言1)のとおり担任教諭から児童には宿題が出されなかった。さらに助言2)のとおり、休日は可能な限りA児と父親で余暇を楽しむなどの取組みも行われていた。学習面については、冬休み中に近所に住む伯母が漢字の家庭学習を指導するかたちで補われた。その結果、冬休み明けの漢字テストは97点であった。このことを伯母に褒められることで、児童は自信をつけ、漢字学習への意欲が増しているとのことであった。マップを再度描いた結果、父親からの矢印が現れていた。 以上のように読み書きに問題を持つとされた児童であっても、授業中の観察とマップを用いた評価により、的確な助言を行いその後の効果を確認できた。
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Research Products
(1 results)