2013 Fiscal Year Research-status Report
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24540002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 睦 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70215565)
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Keywords | カルタン部分代数の変形 / 可換部分リー代数 / グラスマン多様体 |
Research Abstract |
重要なD-加群には可換リー代数の表現に関して定義されているものが少なくない.例えばゲルファント等により組織的な研究が始められたA-超幾何系は代数的トーラスの表現に関して定義されてある.また,合流型では一般線型リー代数のジョルダン部分リー代数に関して定義されてある.しかし,従来の研究では可換リー代数を固定して考えてきた.木村・高野両氏は正則元の極限を考えることにより,実質的に正則元の中心化代数の極限を考え,超幾何方程式系の合流を説明した.本研究は,より徹底してリー部分代数の変形と,それによる超幾何微分方程式系の変形について考察するのが目的である. 本年度はまず,昨年度得られた結果「任意の複素単純リー代数において,ボレル部分リー代数の冪零元からなるランク次元のイデアルはカルタン部分リー代数の(グラスマン多様体における)極限であり,Kostantによる古典的結果と合わせると,ランク次元の可換部分リー代数全体で張られる線形空間は,元のリー代数上の加群としてカルタン部分リー代数で生成されることになる.」の証明を整理し,論文にまとめ,投稿した. 幾何学的には,単純リー代数のランク次元の部分空間からなるグラスマン多様体におけるカルタン部分代数全体の閉包が主な対象である.本年度では,特にA型の場合に考察を深めた.カルタン部分代数全体の閉包を含むグラスマン多様体の部分多様体として可換部分リー代数全体からなるものが考えられるが,その定義イデアルの或る生成系を求めた.また,重要な部分多様体としてジョルダン部分リー代数全体の閉包が考えられるが,Bialynicki-Birula型の分解を用いて,どの可換部分リー代数からなるトーラス軌道がジョルダン部分リー代数全体の閉包に入るかどうかを考察した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては,昨年度得られた上述の結果を論文にまとめること,カルタン部分リー代数全体の閉包に入る冪零元だけからなる可換リー部分代数を組合せ的言葉でパラメトライズすることを目指すこと,A型における超幾何微分方程式系の変形の例の計算を重点的に行う予定だった. 昨年度に得られた上述の結果は,当初50ページほどの論文で,証明は単純リー代数の型ごとであった.本年度では,B型,C型,D型については統一した証明を与えた.また,証明の見通しを良くしたり,良く利用する補題を適切な位置に記述したり,という努力をした.その結果,40ページほどの長さになりかつ大分読みやすくなり,論文雑誌に投稿することができた. パラメトライズについては,昨年度得られた上述の結果をアフィンワイル群のminuscule元とボレル部分リー代数の冪零元からなるイデアルとのよく知られた対応を用いて見直すことを考察した.一方,可換部分リー代数全体からなる部分多様体の定義イデアルを得るという幾何学的な結果を得ることができた.この結果や幾つかの分解定理を用いて,どの軌道がジョルダン部分リー代数全体の閉包に入るのかや,軌道のパラメトライズなどを考察中である.超幾何微分方程式系の変形まで考察する時間はとれなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
カルタン部分リー代数の変形については,引き続き,グラスマン多様体におけるジョルダン部分リー代数全体の閉包に入る可換リー部分代数を組合せ的言葉でパラメトライズすることを目指すことを中心に研究を遂行する. 平成25年度にはほとんど手を付けなかった超幾何微分方程式系についての変形の例の計算にも手を付けたい.特にA型の場合を中心に行う. 関連する研究集会に出席して,他の研究者と研究打ち合わせをする.また,代数群やA-超幾何微分方程式系の専門家のいる大阪市立大学,岡山理科大学,熊本大学,神戸大学を訪れたり,逆に彼らを招聘したりすることにより研究打ち合わせを行う
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2,271円の剰余が出たのは,誤差の範囲である. 平成25年度にノートパソコンを購入する予定であったが,デスクトップのコンピュータが壊れてしまったので,新しいデスクトップコンピュータを購入し,ノートパソコンの購入は見合わせた.平成26年度にはノートパソコンを購入する予定である. 研究費全体としては,旅費としての使用が主となる.研究集会では,「表現論と調和解析の新たな進展」(京都大学数理解析研究所),「代数学シンポジウム」(東京大学),「日本数学会秋季総合分科会」(広島大学),「日本数学会年会」(明治大学)などに参加し関連する研究者との意見交換を積極的に行う.大阪市立大学,岡山理科大学,熊本大学,神戸大学などにいる代数群やA-超幾何方程式系の専門家と研究打ち合わせを行うための出張,招聘の旅費にも使用する. また,色々な分野の書籍やソフトウェアーのアップデイトなどの費用としても使用する.
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Research Products
(2 results)