2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540044
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
土基 善文 高知大学, 教育研究部自然科学系, 准教授 (10271090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松澤 淳一 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (00212217)
石井 亮 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (10252420)
吉冨 賢太郎 大阪府立大学, 公私立大学の部局等, 講師 (10305609)
菊地 克彦 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50283586)
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Keywords | 非可換幾何学 / 力学系 / 有限体 / ゼータ関数 |
Research Abstract |
Weyl 環の研究は更に進み、その射影空間への延長が持つ性質について、Auslander 正則性との関連から考察された。これはおもに前年の研究を引き続く形で行われたもので、正則性に関連する議論の精密化が行われた。また、この研究は更に一般のケーラー多様体に一般化されることを示唆しており、大変興味深い内容を含む。そのような研究に進む前段階として、ドラム複体の分解についての既存の理論(Deligne-Illusie 両氏の論文に代表される)との比較研究が行われた。とくに、研究代表者の多用する超フィルタに関する議論が、フロベニウス作用の議論と関係すること、但しその関係は直接的ではなく、さらに深い研究が必要であることが確認された。 他方、有限体上の力学系の考察から非可換幾何学の例を増やすことができた。 この問題については、複数の種類のゼータ関数など、関連する話題が豊富であり、 今後の研究の充実が期待されるところである。さしあたって、有限体の力学系の記述に必要な、接合積の極大イデアルがどのようなものであるかについて、それが多くの場合に周期軌道と関連することを明らかにし、極大イデアルがそれら周期軌道由来のもので尽くされるための必要十分条件を明らかにした。その結果、接合積上の加群のなすカテゴリーの、黒川ゼータ関数は多くの場合発散することを確認した。収束するゼータ関数を得るためにはさらに詳細のデータをゼータ関数の定義に盛り込むことが必要であると結論される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Auslander 正則性のような既存の理論との関連性が見出され、更には有限体上の力学系との関連など、非可換代数幾何学的な対象についての理解が深まったため。
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Strategy for Future Research Activity |
主として有限体の力学系などを扱う場合、ゼータをどのように定義すれば良いかを考える。 また、他方で非可換ケーラー構造の研究の推進をする。この研究は従来のケーラー多様体の概念をすべて非可換代数幾何学のほうに持ってこようというものである。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主として海外書籍やソフトウエアの注文の遅れなどのため。 まだまだ購入したい書籍やソフトウエアなどがあり、研究集会も控えている。 それらの購入/出席のための旅費に用いられる予定である。
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