2014 Fiscal Year Research-status Report
局所関数等式を満たす多項式に付随する空間の諸性質の研究
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24540049
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Research Institution | Josai University |
Principal Investigator |
小木曽 岳義 城西大学, 理学部, 教授 (20282296)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 局所関数等式 / Fourier変換 / Jordan代数 / Clifford quartic forms / Quadratic mappings / Hopfmappings / 概均質ベクトル空間 / Legrndre変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成24年から平成25年までに、局所関数等式を満たす多項式のペアの発見とその特徴付けについての研究を行ってきたが、平成6年度も継続的にそのテーマについて研究している。正則概均質ベクトル空間の相対不変多項式とその双対空間の相対多項式のペアは、局所関数等式を満たすことは1960年代から佐藤幹夫氏により知られていたが、それ以外の多項式のペアが存在するかという問題は、今まで殆ど研究されておらず、この当該研究によって、佐藤文広氏と私によって導入されたClifford quartic formsのペアが局所関数等式を満たすが、それは概均質ベクトル空間の相対不変式ではないことが分かった。さらに、Etingof, Kazhdan , Polishchukの論文の中で、multiplicative Legendre変換によって多項式にうつるような多項式は全て概均質ベクトル空間の相対不変式ではないかという、予想がある。我々の構成したClifford quartic formsは概均質ベクトル空間の相対不変式ではないが、局所関数等式をみたすので、この、Etingof, Kaxhdan , Polishchukの論文の予想に反例を与えることになった。これらの結果は論文としてまとめ、現在投稿中である。また、国内外のいろいろな研究集会でこの研究成果を発表した。また、この他に、伊師英之氏とともに、等質錐ではないが、それに大変近い性質を持つsubHankel行列式のmultiplicative Legendre変換および、それに付随する空間の研究に、我々のClifford quartic formsの研究手法を適用し、研究を進めている。この研究については現在進行中である。さらに、Clifford quartic formsに付随する空間の分類も佐藤文広氏とともに行ったが、この空間と小林俊行氏によって導入されたClifford Klein formsとの関係があることが分かり、その空間との関係を明らかにする研究も現在進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
局所関数等式を満たす多項式のペアとして、1960年代から知られている正則概均質ベクトル空間の相対不変式のペアとその双対空間の相対不変式のペアを除いて最近まで知らていなかったが、佐藤文広氏との研究で我々が導入したClifford quartic formsのペアが概均質ベクトル空間の相対不変式でないにも関わらず局所関数等式を満たすことが分かり、 さらに別の応用として、Etingof, Kazhdan, PolishchukのLegendre変換に関する予想を否定的に解決することにも成功した。Clifford quartic formsに付随する空間の研究の際に用いた研究手法で、subHankel行列に付随する空間及び、そのmultiplicative Legendre変換について平成26年度研究してきたが、研究はある程度進んだが、まだ問題は解決していない。Clifford quartic formsとClifford Klein formsとの関連もまだ未可決である。ここまでの研究は、佐藤文広氏によって発見された局所関数等式の引き戻し定理を用いて、ある種の概均質ベクトル空間への双対な2次写像を用いて、非概均質的関数等式を構成したが、同様のことが別の概均質ベクトル空間でも成立するかという問題は未解決で、あり、今後の研究すべきテーマである。近年、佐藤文広氏によって研究されているdecomposableなグラフから得られる局所関数等式、局所関数等式の貼り合わせなどとの関係もまだ、今後研究の余地を残している。また、概均質ベクトル空間の相対不変式の局所関数等式は裏返し変換という空間の変換でも保たれるが、非概均質的局所関数等式は、同じ性質を持つかということも今後の課題である。
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Strategy for Future Research Activity |
Clifford quartic formsに付随する空間の研究手法、それから等質錐に付随する局所ゼータ関数の研究などを参考にし、等質錐ではないが、等質錐によく似たsubHankel行列式の様々な特徴を明らかにする。我々の導入したClifford quartic formsに付随する空間とClifford Klein formsとの関連について、表現論的、幾何的アプローチ双方から考察する。特に、佐藤文広氏によって最近示された、局所関数等式の貼り合わせ定理や、decomposable graphから得られる多項式の局所関数等式も大いに研究の参考になると思われるので、そのことを自分なりに解釈し、自分の研究に応用できないかなどの方向性で研究を進めていく。非概均質的局所関数等式が裏返し変換でどの様な影響を受けるかという研究のための方策としては、具体的に計算できる例をピックアップして、計算を行っていく。
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Causes of Carryover |
平成26年度に計画を立てていた、海外での講演発表が今年度にずれ込んだことや、海外の数学者を招聘する予定でいたが、その数学者が自分の資金をして来日したなど、使用を予定していた資金を使わずに済んだのが、次年度使用額が生じた理由である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度が当該研究の最終年度にあたるので、研究成果をまとめて論文を作成するためのPCの購入や、ソフト購入の費用に使ったり、国内外で研究発表するための旅費や人件費、謝礼などに使用します。
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