2013 Fiscal Year Research-status Report
平均曲率流に対する近似問題と正則性・特異性に関する研究
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24540124
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石井 克幸 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 教授 (40232227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 雄基 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (10231458)
上田 好寛 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (50534856)
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Keywords | 平均曲率流 / 近似問題 / 粘性解 / 非線形偏微分方程式 / 漸近挙動 |
Research Abstract |
研究代表者の石井は変分法に基づく、非等方的な平均曲率流に対する近似問題を研究した。非等方的な符号付き距離関数と粘性解理論を用いて、その収束を証明した。この近似問題は結晶成長等に見られる、滑らかでない表面エネルギーによる曲率流への近似問題に応用できることも示した。また、外力や移流項を持つ平均曲率流に対する近似問題も研究した。この問題は相転移等の界面運動だけでなく、二相流体における自由境界の運動とも関連がある。この研究では閾値型の近似アルゴリズムを改良したものを導入し、滑らかな平均曲率流への収束の最良評価を導いた。この成果を論文にするための準備を開始している。 分担者の内藤は非自励系の微分方程式系の解に対する漸近挙動を研究した。係数行列の固有値の挙動を調べることにより、時間変数を 0 に近づけたとき、その解はそれが描く曲線の長さは有限なままで原点に近づくことを示した。また、半線形放物形偏微分方程式 (系) の解について研究した。藤田形方程式と呼ばれる半線形放物形偏微分方程式について、非線形項の冪が Sobolev の意味で優臨界の場合に解の挙動を調べた。簡略化された Keller-Siegel 系と呼ばれる放物形-楕円形偏微分方程式系に対して初期値の積分量が臨界値にあるとき、振動する解の存在を証明した。 分担者の上田は摩擦項を持つ半線形波動方程式に対する解の漸近挙動を研究した。半線形放物形偏微分方程式の解の挙動を研究した Ishige-Kawakami の方法を応用して、その解が熱方程式の解に漸近する様子を詳細に調べた。また、Euler-Maxwell 系に対してその散逸構造を詳しく調べることにより、解の減衰評価を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非等方的な平均曲率流の近似問題については論文も出版され、最近の研究と関連した問題も見つかり、順調に進んでいると考えられる。 余次元の高い平均曲率流に対する近似問題については関連する論文・資料等を入手し、それらの内容について検討中である。 平均曲率流の広義解の正則性・特異性は平均曲率流の近似問題とも関連があることがわかり、論文・資料等を入手し、それらの内容について検討を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
平均曲率流の近似問題に関して、最近の研究を見直すことにより改善できる見込みが立ったのでそれについて研究を進めていく。 余次元の高い平均曲率流に対する近似問題について、関連論文・資料等について検討中しながら、近似アルゴリズムの構成やその収束について研究を進める予定である。 平均曲率流の広義解の正則性・特異性については論文・資料等について検討中である。この問題は外国人研究者と共同研究を行う予定なので、相手方と入念な打ち合わせをしながら、研究を進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H 25 年度に注文していた書籍 (洋書) が出版延期となり、H 25 年度中に納品されないことがわかった。そのため、注文を一度キャンセルせざるを得なかった。 H 25 年度に注文し、キャンセルしていた書籍を再度注文する (出版延期となった書籍は H 26 年 8 月頃に出版予定と聞いている)。
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Research Products
(20 results)