2013 Fiscal Year Research-status Report
テンソルデータの階数問題とテンソル多変量解析の展開
Project/Area Number |
24540131
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂田 年男 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (20117352)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角 俊雄 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (50258513)
宮崎 充弘 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (90219767)
|
Keywords | テンソルの階数 / テンソルの典型階数 / 行列正規分布の片側検定 / テンソル正規分布の片側検定 / 制約ホロノミック勾配法 / 2x2x...x2テンソルの階数 |
Research Abstract |
平成25年度にはテンソルの階数問題とテンソル正規分布の検定(特に片側検定)について 研究を進めた。まず、テンソルの階数問題では、mxnx(m-1)n型のテンソルについて、「mがフルビッツ・ラドン数ro(n)以下の場合には典型階数が2つある」が、今年度の研究で、その逆命題「mがro(n)より大きい場合について一つの典型階数(m-1)nしか持たない」ことを示した。また、2x2...x2型のテンソルの階数についても研究を進め、若干の命題を得た。テンソルの正規分布の検定問題では、岩佐氏との共同研究で、その基礎段階である行列変数の正規分布についての片側検定問題について、二つの共分散パラメータのうち、一方の共分散パラメータが未知で他方の共分散パラメータが既知の場合に相似検定を提案し、相似性を示した。さらに、片側検定の検出力計算のための準備としてのパラメータ制約のあるホロノミック勾配法についても研究を進め、アルゴリズムを提案し、簡単な例について動作確認を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
テンソルの階数問題については、H25年度に行った分担者との共同研究の成果を著名な国際誌に投稿し、H26年4月段階で既に受理が決定している。 さらに、2編の論文をいずれも国際雑誌に投稿中である。また、現在、それらを発展させた最新の研究テーマを扱った内容で、分担者と共同で論文を執筆中である。また、これらに関連する話題での国際会議での発表も3件行っている。順調に成果を出しているといえる。また、テンソル正規分布の検定問題では、国際会議で発表するとともに、そのProceedingsに論文として査読付きで掲載した。ただし、行列変数の正規分布に関する話題であり、現在テンソルへの拡張を研究中である。また、制約のある場合のホロノミック勾配法のアルゴリズムを提案し、将来、テンソル正規分布の片側検定に応用すアイデアを持って準備を行っている。 よって、全体として見ても概ね順調に研究計画を遂行していると判断する。
|
Strategy for Future Research Activity |
テンソルの階数問題について、分担者と強い連携のもとに、特に、典型階数の決定について 研究を進めているので引き続きこれを継続する。7月IMS-APRM2014の国際会議ではテンソルの階数問題についてsessionを組織し、3名の合衆国の研究者、1名の日本人研究者を招聘し、我々も参加し講演・研究討議することが決まっているので、そこでよいアイデアを得たい。また、行列型、テンソル型の正規分布に対する片側検定についても同じ国際会議での別なsessionで講演することが決まっており、そこで、よりよい知見を吸収したい。招聘者との研究情報の相互のやりとりを継続する。日頃より分担研究者との連絡は蜜に行っており、着実に成果を出し、雑誌論文として発表することを考えている。また、成果が出ればまず出来る限り国際会議で発表するつもりである。様々な評価を受けることがその後の研究に役立つ。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に国際会議IMS-APRM2014(台北)で坂田の組織するSESSIONに合衆国から3名,日本から1名を招聘するのに100万程度の経費が発生するため、同SESSIONに参加する分担者の旅費・参加費用を捻出するために分担者ともども使用を控えたもの 繰越金は国際会議IMS-APRM2014(台北)に分担者が出席するための費用、坂田の費用の一部として使用する。外国人3名、日本人1名の招聘に100万近い費用がかかるためにやむをえない。その他、投稿中の論文2本が査読を通った場合の出版費にも使用する。
|