2013 Fiscal Year Research-status Report
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24540146
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
古市 茂 日本大学, 文理学部, 教授 (50299327)
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Keywords | 不等式 / エントロピー / 正作用素(正定値行列) / Skew information / 不確定性関係 / 平均 |
Research Abstract |
昨年度に続き,Skew informationによって定まるある量と不確定性関係の不等式について研究を継続していた.binominal meanのあるパラメータに関する凹凸を調べることによって,Skew information を用いた不確定性関係のさらなる一般化として具体的な例が出来得ることを示した. 一方,より数学的な話題として,対数平均の上界と下界をよりタイトなもので置き換えられることを示し,Journal of Inequalities and Applicationsから出版された.その後,一般のユニタリ不変ノルムの場合についても私個人で結果を出しておりに同論文誌に掲載予定である. さらに,相対エントロピー作用素に関する論文が昨年発表され,その主な結果としては,我々が2005年に発表した論文を一般化するものであった.そこで私はその論文と2005年の我々の結果をさらに精密に評価する結果を出した.これは現在投稿準備中である. それ以外に,平均に関する作用素不等式の論文を単著で書き,Journal of Mathematical Inequalitiesに受理されており現在,印刷中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
25年度は,所属機関におけるサバティカルを利用したため,例年よりも研究活動に割ける時間を多く確保することができた.同時に国内外の出張を多く入れることができ充実した研究生活を送ることができた.エントロピーやSkew informationといった情報量に関する結果のみにとどまらず,より基礎的(数学的)な平均と作用素(ノルム)不等式に関する幾つかの成果を得ることができた.サバティカルを利用して,セミナーや特別講義などにも出席し積極的にこの分野の専門家の方々に多くのことを教わることもできた.これは想定外であった.結果として,学会発表も8件程度こなすことができたし,学術論文も5編程度書くことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
25年度は不等式や作用素論の話題にやや重点が置かれたように思うので,今後はエントロピーに関する研究を中心に行っていく予定である.しかし,25年度に得られた成果の発表のために2件ほど国際会議に参加する予定である.それらのうち1件はエントロピーと不等式に関するものであり、もう1件は作用素と不等式に関するものである.これらの更なる発展が見込めればそちらの方面への研究を行っていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に約17万円の残額を出しておりました.それは,平成25年度にサバティカルを取得する予定でおりそのときの旅費に充てる予定であり実際にそのように致しましたが,2万円弱の残額が生じました.この残額に特に意図はございません. 平成25年度中に投稿した論文の出版が決定し,平成26年度に論文印刷費用が見込まれますのでそちらに使用させていただく予定です.
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