2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540158
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岡 裕和 茨城大学, 工学部, 教授 (90257254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平澤 剛 茨城大学, 工学部, 教授 (10434002)
植木 誠一郎 茨城大学, 工学部, 准教授 (70512408)
細川 卓也 茨城大学, 工学部, 准教授 (90553579)
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Keywords | 半閉作用素 / DeBranges 空間 / 合成作用素 / 荷重合成作用素 / ベルグマン空間 / 解析関数空間 / 発展方程式 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである。 (1) 半閉作用素全体からなる距離空間において、半閉な対称作用素の集合の中で自己共役作用素の集合は相対的に開集合である。前年度のこの研究成果を踏まえて、自己共役作用素を内点とする開球の半径の計算およびその最良性を検討した。その結果、特に2乗可積分な関数空間における1階の微分作用素およびラプラシアンの半径の値を与えることに成功した。 (2) ベルグマン空間上の合成作用素および合成作用素と微分作用素との作用素積の有界性およびコンパクト性を作用素構成因子である正則関数の持つ函数論的な性質で特徴付ける研究を行った。合成作用素と微分作用素との作用素積の性質は解析関数φの増大度と微分の階数の双方に影響を受けること、Bekolle条件を満たす重み付きベルグマン空間上の合成作用素は重み関数とφ(z)-wの零点の個数関数との増大度の比により特徴付けられることを明らかにした。 (3) Hardy空間、Bergman空間、Dirichlet空間を含むHibert空間の間の合成作用素の差のHibert-Scmidt性について研究した。特に、Dirichlet空間からHardy空間やBergman空間へ作用させる場合については積分条件による特徴付けを与えた。 (4) 微分作用素のイメージとは結びつきにくい連続性条件に着目し,単調作用素,劣微分作用素により支配される発展方程式の枠組みの1つの拡張を発展方程式研究会において成果発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(理由) 本研究の目的は、記憶項を伴う双曲型方程式の適切性について、一般的かつ組織的に取り扱うための「理論構築」および「方程式が働く場である関数空間の立場からの理論考察」の双方の観点から研究を実施することである。後者については、ヒルベルト空間上の作用素論的側面から、解析関数空間およびハーディー空間の3つの立場からそれそれ研究を行う計画を立てている。「理論構築」については、単調作用素,劣微分作用素により支配される発展方程式の枠組みの1つの拡張を考察した。ヒルベルト空間上の作用素論的側面の観点からは、半閉作用素全体からなる距離空間において、自己共役作用素を内点とする開球の半径の計算およびその最良性を検討し、特に2乗可積分な関数空間における1階の微分作用素およびラプラシアンの半径の値を与えることに成功した。また、解析関数空間の立場からはベルグマン空間上の合成作用素および合成作用素と微分作用素との作用素積の有界性およびコンパクト性を作用素構成因子である正則関数の持つ函数論的な性質で特徴付ける研究を行った。ハーディー空間の立場からは, Hibert空間の間の合成作用素の差のHibert-Scmidt性について研究した。以上の研究内容は本研究計画・目的に沿ったものであるため、おおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の推進方策) 発展方程式および偏微分方程式関係の研究会やセミナーに参加し研究資料・情報の収集を行う。特に現在, 準線形双曲型発展方程式の時間大域解の理論の研究を行っている連携研究者の田中と研究代表者との研究打ち合わせは複数回にわたって, 実施する。 「方程式が働く場である関数空間の立場からの理論考察」は, 平澤がヒルベルト空間上の作用素論的側面から, 植木が解析関数空間の立場から, 細川がハーディー空間の立場からそれぞれの研究を実行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究推進のために必要な偏微分方程式・発展方程式関係図書を購入する予定であったが、発注業者を指定することにより安く済んだため。 少額のため、偏微分方程式・発展方程式関係図書に充当する。
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Research Products
(10 results)