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2012 Fiscal Year Research-status Report

原子核乾板における低エネルギー電子飛跡の高速自動同定

Research Project

Project/Area Number 24540302
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

佐藤 修  名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (20377964)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsニュートリノ / ダブルベータ崩壊
Research Abstract

原子核乾板は通常、厚み200ミクロンの透明なプラスチックの両面に厚み45ミクロンの乳剤層が塗布してある。塗布、乾燥後から荷電粒子に感度を持ち、目的の荷電粒子の飛跡以外にも環境ガンマ線によるコンプトン電子、ベーター線、乳剤自身に極微量含まれるトリュウム等からのアルファー崩壊による飛跡を蓄積する。本研究の目的は、通常の解析で検出目的とする高エネルギー荷電粒子の飛跡とその他のノイズ飛跡を分離する事である。特に全自動飛跡認識装置では今まできていなかったノイズ飛跡をノイズと同定することを目指す。今年度は読み出しカメラの高ピクセル数化及び断層映像数を16層から増やしてデータ取りのテストを行った。まずは通常の高エネルギー荷電粒子の飛跡を読み出すアルゴリズムでノイズ飛跡の数の変化を画像の2値化の閾値を変えて研究した。従来の16層、1ピクセルあたり0.3ミクロンの読み出しでの飛跡読み出しに比べ、32層で1ピクセルあたり0.1ミクロンの読み出しでの飛跡読み出しを行った、その結果、高エネルギー荷電粒子の飛跡検出効率を従来と同程度に保つパラメータ時にノイズ飛跡の量を従来比約1/10にすることに成功した。ノイズ飛跡の主成分はわずか40ミクロンの乳剤でも電磁多重散乱で飛跡がくねくねに曲がったものである。さらなるノイズ削減のためには積極的にくねくね曲がった飛跡の形状を正しく再構成する事が課題であり、H25年度以降、新たなアルゴリズムの開発およびその処理の高速化を行ってゆく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

原子核乾板の飛跡自動読みとり装置は驚異的な高速化を達成し続けている。名古屋大学物理F研究室の中野助教らはニュートリノ振動検証実験OPERAにおいて活躍中のSUTSの100倍の読み出し速度の自動飛跡読み取り装置、HTSを開発中であり平成25年度にも稼働する状況である。今まで、はがき大サイズの原子核乾板1枚の両面の全飛跡読み出しに5時間を要していたがこれからは3分で読み出すことができさらに大面積の読み出しが可能になる。しかしノイズ飛跡の混入率を改善しない限りノイズ飛跡を除くために行っている人の目による詳細確認を従来の100倍の量行う必要がでてくる。飛跡の詳細確認する人数を現在の100倍投入できれ今まで通りで良い。しかしこの要求は事実上不可能である。そこで積極的にノイズ飛跡を減らす読みだし方法、およびアルゴリズムの開発が本研究課題である。本年度は従来の読み出しに関しハードウエア―での改善、読み出しピクセルを小さなカメラを導入し断層映像の数を従来の16から32層に増やすことでノイズ飛跡を従来にくらべ10%までに減らす事に成功している。最終的なノイズ削減目的である従来比1%までにするために飛跡再構成のアルゴリズムの改善に着手し始めたところである。アルゴリズムの完成により、この目標は十分到達可能であると考えている。

Strategy for Future Research Activity

ノイズ飛跡を正しくノイズ飛跡としてとらえるためのアルゴリズムの開発を行う。まずは高エネルギー荷電粒子の飛跡検出に対するノイズ飛跡を削減し、従来比1%のレベルの達成を目指す。その後、ノイズ飛跡の中でも特にコンプトン電子などの低エネルギー電子の飛跡の検出効率を上げる。従来の飛跡再構成アルゴリズムでは直線状の飛跡をとらえることが目的であるために曲がりくねったコンプトン電子の検出効率は偶然、飛跡の一部が直線状に見える部分を捉えているだけなので極めて低い。それでも原子核乾板に蓄積される絶対量が多いためにノイズとして問題であった。また低エネルギー電子がシグナルの実験、ダブルベータ崩壊実験などでは曲がりくねった飛跡を高効率でとらえる必要がある。そのため曲がりくねった飛跡に対応したアルゴリズムの開発を引き継き行って行く。コンプトン電子の検出効率の算出はそのエネルギーの低さによる電磁多重散乱の影響からまともな評価が出来ていない。その評価方法の確立しコンプトン電子の検出効率を見積もる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

本年度に引き続き、読み出しカメラの高分解能化を進める。現在名古屋大学F研究室でノイズ飛跡と高エネルギー荷電粒子飛跡の分別のために用いている顕微鏡ステージ5台を本研究用に順次改良する。高分解能化および読み出し断層映像の読み出し層数を増やす為の画像読み込みのグラバーボードを組む込む。また飛跡再構成の処理を行うパソコンを導入する。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Development and utilization of 'Plate Changer' system for neutrino interactions in OPERA emulsion target.2013

    • Author(s)
      J Yoshida, O Sato et.al
    • Journal Title

      JINST

      Volume: 8 Pages: P02009

    • DOI

      10.1088/1748-0221/8/02/P02009

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ニュートリノ振動実験OPERAの解析状況

    • Author(s)
      佐藤 修
    • Organizer
      日本物理学会
    • Place of Presentation
      京都産業大学
  • [Presentation] ニュートリノ振動実験OPERAの最新結果

    • Author(s)
      佐藤 修
    • Organizer
      日本物理学会
    • Place of Presentation
      広島大学
  • [Presentation] OPERA Results

    • Author(s)
      O.Sato
    • Organizer
      The 12th International Workshop on Tau lepton Physics
    • Place of Presentation
      Nagoya University
    • Invited
  • [Remarks] 名古屋大学理学研究科・素粒子宇宙物理系F研 基本粒子研究室

    • URL

      http://flab.phys.nagoya-u.ac.jp/2011/

URL: 

Published: 2014-07-24  

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