2013 Fiscal Year Research-status Report
2層量子ホール系における動的コステリッツ-サウレス転移の研究
Project/Area Number |
24540331
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
福田 昭 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (70360633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺澤 大樹 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (90589839)
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Keywords | 量子ホール効果 / 2層系 / K-T転移 / 擬スピン / 半量子渦対 / SU(4)スカーミオン |
Research Abstract |
2層系ν=1量子ホール状態は、巨視的なコヒーレンスを持つ擬スピンのX-Yモデルで記述され、半量子渦対の結合-乖離で引き起こされる2次元超流動転移であるKosterlitz-Thouless(K-T)転移が予想されている。本研究では、2層系ν=1量子ホール状態におけるK -T転移のダイナミクスや発現機構を、電気伝導測定や、マイクロ波を用いて解明することである。 本年度は、2層系ν=1量子ホール状態における量子ホール効果における核スピン緩和時間を、抵抗検出型磁気共鳴法を用いて、電子密度の関数あるいは2層間の電子密度差の関数として測定を行った。その結果、電子密度差のある状態で新奇な励起状態であるSU(4)スカーミオンの存在がある可能性が分かった。SU(4)スカーミオンは、スピン励起であるスカーミオンと相の自由度である擬スピンの励起である、本研究での研究対象として非常に重要であるメロン対との協調・競合したエキゾチックな励起状態である。このことから、非バランス状態の2層系ν=1量子ホール状態において、メロン対の乖離で引き起こされるKosterlitz-Thouless(K-T)転移がSU(4)スカーミオンによって起こされている可能性が高まった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予想されたメロン対乖離によるK-T転移だけのみならず、非バランス状態の2層系ν=1量子ホール状態において、SU(4)スカーミオン起因の複雑なK-T転移が存在する可能性も見出したから。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、 1)トンネリング・エネルギーを変化させた(非常に大きい試料や、非常に小さい試料)試料を用いて、同様な電気伝導測定を行い、発現温度の観測を行う。 2)2層系ν=1量子ホール状態の複合フェルミオン版である2層系ν=1/3分数量子ホール状態においても、同様な発現温度の測定を行う。 3)2層系ν=1量子ホール状態にマイクロ波を印加し、量子渦対を電場で振動させることにより、発現温度の変化を見る、「動的Kosterlitz-Thouless転移」の探索を行う。 4)SU(4)スカーミオン領域においても、さらに詳細に面内磁場を印加するなど、発現温度測定を行う。 などの実験を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品などの使用量が、予想よりも下回ったため。 主に消耗品費として使用する予定である。
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Research Products
(17 results)