2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540337
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
牧野 哲征 福井大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70311363)
|
Keywords | 励起子 / 強磁性半導体 / スピントロニクス |
Research Abstract |
酸化ユーロピウム薄膜は強磁性半導体でありキャリア注入によるキューリー温度増加など興味深い物性を示すことで知られている。この物質の時間分解磁気光学効果を検討した。用いる光エネルギーとしては4f状態から5d状態への遷移に対応させるものとした。この物質の光誘起による磁化変化をフェムト秒レーザー分光法を用いて直接時間追跡することができた。別名時間分解ファラデー分光法と呼ばれる。光源としては、フェムト秒チタンサファイアレーザー再生増幅器をポンプ源とする波長可変パラメトリック増幅器とした。フェムト秒レーザーによって磁化が増大することがわかり、その現象は5Kからキューリー温度よりもずっと高温である200K近くまで観測された。更に、強磁性半導体の磁化の歳差運動を全光モードで実験的に観測することにも成功し、左巻と右巻きで円偏光照射効果(円偏光二色性)が異なるということも見出した。フェムト秒時間スケールでの断熱的な歳差運動の制御に対し光の持つ「角運動量」の果たす役割について解明することができた。そこでは光誘起磁気増大効果と逆ファラデー効果が相補的に観測された現象に寄与していることが分かった。また、当該現象を光制御型磁気メモリーとして実用化することに関する考察を加えた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年は本研究をテーマにした招待講演を3ケ実行するなど 着実に成果を世に問うことができているため
|
Strategy for Future Research Activity |
実験室が新設されたのでそこへの装置の移送や再運転・設定・構築などの 問題があるが、研究計画に則って速やかに遂行する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額が発生しているのは研究が概ね順当に進んでいるためであり、平成26年度の研究計画に記載のある実験装置や消耗品などの購入に充当する予定とする。 平成26年度の研究計画に記載のある実験装置や消耗品などの購入にあてがう。
|
Research Products
(6 results)