2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540460
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Research Institution | Building Research Institute |
Principal Investigator |
原 辰彦 国立研究開発法人建築研究所, その他部局等, 上席研究員 (40360466)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マグニチュード / 津波警報 |
Outline of Annual Research Achievements |
遠地P波の高周波震動継続時間と最大変位振幅を用いたマグニチュード計算式(Hara、 2007)の性質を係数のグリッドサーチにより調べた。1994年~2015年5月に発生したモーメントマグニチュード7.2以上で深さ50km以浅の地震の広帯域地震波形データをIRISデータセンターから取得し、解析に用いた。モーメントマグニチュードとの差の二乗平均を最小にする係数を用いた場合、巨大地震に対して過小評価となった。モーメントマグニチュードとの差の二乗平均の最小値に対して7%程残差が大きい一方、モーメントマグニチュード、震央距離、高周波震動継続時間に対する依存性が小さい係数を選び、計算式を改定した。 マグニチュード決定の迅速化を図るために、震央距離10~30度のリージョナルデータに対しても、同様の解析を行った。遠地データと同様に、モーメントマグニチュードとの差の二乗平均を最小にする係数を用いた場合、巨大地震に対して過小評価となった。係数の全組合せに対するモーメントマグニチュードとの差の二乗平均の最小値に対して9%程残差が大きい一方、モーメントマグニチュード、震央距離、高周波震動継続時間それぞれに対する依存性が小さい係数を選び、リージョナルデータに対する計算式を得た。リージョナルデータから求めたマグニチュードの値は遠地データから得られる値と整合的である。 強震動の継続時間と変位振幅を用いた地震規模決定の可能性を調べた。2003年以降に日本及びその周辺で発生したモーメントマグニチュード7.2以上の9地震を解析した。国立研究開発法人防災科学技術研究所のKiK-netの地中観測点の加速度記録を解析に用いた。強震動の継続時間、最大変位振幅、震央距離の積とモーメントマグニチュードを比較したところ、両者は概ね相関することが分かった。この結果は上記の計測量からマグニチュードを推定できることを示唆する。
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Research Products
(3 results)