2014 Fiscal Year Annual Research Report
金属ストロンチウムを利用した還元的極性変換による新しい活性種の創製とその応用
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24550056
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三好 徳和 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (40219829)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ストロンチウム / 還元的極性変換 / メタラサイクル中間体 / アルキル化反応 / シリルエーテル |
Outline of Annual Research Achievements |
金属ストロンチウムとアゾベンゼンから、新規中間体であるメタラサイクル中間体の生成に前年度成功した。この中間体の単離、或いは分光学的手法による同定を試みた。先ず、実際の実験における反応系は懸濁液であることより、濃度の低減を検討した。種々検討の結果、反応液を溶液の状態でも効率よくメタラサイクル中間体を生成できることがわかった。その際、金属ストロンチウムの当量も半減でき、アゾベンゼンに対し、最低1.5当量でも円滑に反応させることが可能であることがわかった。現在、さらに錯体の単離を検討中である。 加えて、反応検討過程にて、以前のアルキル化反応では若干修率が低下した際、不純物が含まれることがあった。アルキル化剤をヨウ化アルキルからより安価で市販品も多い臭化アルキルとすることで、純度良く、高収率で生成物を得ることに成功した。 さらに極性変換反応の例として、カルコンを用いメタラサイクルの生成を試みた。従前は、反応性が複雑になり、複数の単離同定できない生成物の混合物であった。そして、メタラサイクル中間体の水による加水分解生成物である単純還元体の生成は、数%であった。本反応も、種々検討の結果、還元体を20~30%の収率で生成することができ、現在収率の向上と、それを用いた還元的極性変換による反応を検討中である。 一方、昨年までのストロンチウムアルコキシドを用いるシリルエーテル化の汎用性を検討した。その結果、種々の2級アルコールに対し、高価なシリルトリフラートを用いずとも、嵩高いシリルクロリドを用いても円滑且つ高収率で対応するシリルエーテルが得られた。 加えて、エステルやケトンに対するアルキル化並びにストロンチウムアルコキシドを用いた擬レジスト材合成を試み、ストロンチウム反応剤の有用性を明らかにした。
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Research Products
(6 results)