2014 Fiscal Year Annual Research Report
気節-非相分離振幅変調多重化フロー分析法の開発と応用
Project/Area Number |
24550101
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 秀治 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40207121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 政樹 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (10457319)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フロー分析 / 振幅変調 / 高速フーリエ変換 / 気節法 / 自動分析 / 界面活性剤 / 内標準法 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者が2008年に発表した振幅変調多重化フロー分析法 (AMMFA)は,通信工学的な概念を導入した新規フロー分析法である。複数の試料流量を異なる周波数で変動させ,これらを合流させ,下流で得られる検出信号を周波数解析することで,多試料/多成分同時分析が行える。本研究課題では,流れ系内での分散による振幅の減衰(感度低下)を抑制するため,液流を気泡によって分節し,相分離を行わず信号処理によって気泡由来信号を除去する気節-非相分離AMMFAを開発した。平成24年度はシステムの構築と,相認識と平滑化のアルゴリズムを組み入れたソフトウェアの開発を行った。1試料中の硝酸イオン・亜硝酸イオンの同時定量に応用し,平成25年度には2試料中のリン酸イオンあるいはアンモニウムイオンの定量へと発展させた。同年度には,さらなる高感度化をめざして,流れ系内に電極を挿入し,周期的な電位変調により目的成分の電解濃縮と溶出(ストリッピング)を行う方法も検討したが,発表に堪えうるデータは得られなかった。平成26年度は,媒質物性の周期的変動を利用したAMMFAと,内標準法を導入したAMMFAの検討を行った。前者では,界面活性剤(硫酸ドデシルナトリウム)の濃度を変動させることにより流れの中にミセル領域とモノマー領域を交互に作り出し,目的物質(クリスタルバイオレット)をミセルに可溶化させて感度の上昇をはかった。後者では,長時間連続測定における校正頻度の低減および信頼性の向上を目的として,メチレンブルーを内標準物質として用い,オルトフェナントロリン吸光光度法による鉄イオンの測定に応用した。 AMMFAおよびこれを発展させた気節-非相分離AMMFAは,研究代表者のオリジナルの分析法であり,フロー分析法に周波数解析を導入した点に学術的ユニークさがある。本研究により,その実用分析への応用例も示すことができた。
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Research Products
(6 results)