2013 Fiscal Year Research-status Report
炭素-炭素二重結合を含むπ共役系高分子の分子量制御法の開発
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24550141
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
横澤 勉 神奈川大学, 工学部, 教授 (80182690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 佳宏 神奈川大学, 工学部, 助手 (90625617)
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Keywords | 触媒移動型重合 / ポリフェニレンビニレン / 連鎖縮合重合 / π共役系高分子 / Pd 触媒 / Ni 触媒 |
Research Abstract |
本研究では申請者が開発したポリチオフェンやポリフルオレンなどの分子量制御法(触媒移動型連鎖縮合重合)を芳香族π共役系高分子からポリフェニレンビニレンやポリアセチレンのような炭素-炭素二重結合を含むπ共役系高分子まで展開することを目的としてい る。これらのポリマーも触媒移動型連鎖縮合重合によって分子量制御して合成できるようになれば、ポリチオフェンとポリアセチレンとのブロック共重合体のようなこれまでにないπ共役系高分子を創製することができる。今年度の研究実績は以下のとおりである。 (1)4,4'-ジブロモスチルベンとフェニルボロン酸エステルとのモデル反応 スチルベンの2,5 位にアルコキシ基を有する基質では選択的にジフェニル置換体が生成し、Pd 触媒が炭素-炭素二重結合を通って分子内移動することを明らかにした。しかし、無置換ジブロモスチルベンとの反応では一置換体も生成し、触媒が分子間移動していることがわかった。さらにこのモデル反応に種々のオレフィン類を添加した結果、2,2'-置換スチルベンの場合は分子内移動が、スチレンなどの一般的なアルケンの場合は分子間移動することが明らかになり、炭素-炭素二重結合を有するモノマーの分子内触媒移動は二分子反応で説明できることを明らかにした。 (2)スチルベンモノマーの触媒移動型重合 上記知見に基づき、2,5 位にアルコキシ基を有するスチルベンモノマーの触媒移動型重合を検討した結果、トリ(t-ブチルホスフィン)配位子を持つ 2,5-ジアルコキシフェニルパラジウムブロミドを系中で発生して開始剤として用いると、2,5-ジアルコキシフェニル基がポリマー末端に導入できることを明らかにした。しかし、分子量分布はモノマー転化率とともに広くなり、その原因を現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
炭素-炭素二重結合を有するモノマーの触媒移動型重合を行うためのモノマー設計をモデル反応から行うことができた。また、スチルベンモノマーが触媒移動型重合で進行し、Pd 開始剤のアリール基を高分子末端に導入することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ポリスチルベンの分子量分布を狭くするため、単離した Pd 開始剤を用いて触媒移動型重合を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
端数額が出たため 消耗品に使用する。
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