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2013 Fiscal Year Research-status Report

植物油中のグリセリンを炭素源としたバイオプラスチックの高収率生合成と高機能化

Research Project

Project/Area Number 24550179
Research InstitutionRyukoku University

Principal Investigator

中沖 隆彦  龍谷大学, 理工学部, 教授 (90257824)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 石井 大輔  東京大学, 農学生命科学研究科, 助教 (70415074)
Keywordsバイオプラスチック / 生合成 / ポリヒドロキシアルカノエート / ブロック共重合体 / 力学物性
Research Abstract

植物油を原料としてバイオディーゼル燃料(Biodiesel Fuel: BDF)を製造する過程で生成する副生物としてのグリセリンを炭素源とした微生物によるバイオプラスチックの生合成と物性改善について検討を行っている。グリセリンに少量のBDF成分の1つであるリノール酸メチルを少量加えて炭素源としてW.eutrophaで培養を行い高収率でポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)(P3HA)を得ることができた。また大豆油をエチルエステル化した時に副生する脂肪酸エチルエステルを含むグリセリンを炭素源として高収率でP3HAを得ることに成功した。本技術はグリセリンの有効活用に用いることができると考えられる。(論文投稿)またグリセリンおよび天然に存在する脂肪酸からは硬くて脆いポリ(3-ヒドロキシブチレート)(P3HB)しか生合成できないため、奇数鎖脂肪酸とのブロック化を試みた。炭素源を連続投与すると2つの炭素源が混合してしまうため、第1の炭素源で培養した後、菌体と培地を分離して菌体だけを第2の炭素源で培養したところ、菌体内でのバイオプラスチック蓄積は失活せずに、培養時間と分子量の間に定量性のあるブロック共重合体の生合成に成功した。長時間培養すると第1の炭素源で生合成したP3HAがエネルギー源として代謝されていくのに対し、第2の炭素源から生合成されたユニットは分子量が培養時間とともに大きくなることもわかった。さらに物性改善するために、異なる構成成分をもつPHAをブレンドして力学物性について検討したところ、ポリ(3-ヒドロキシヘキサノエート)(P3HH)に1%程度のP3HBをブレンドすることで、破断伸びが大きく改善されることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本プロジェクトでは、まずW.eutrophaにより、廃油からバイオディーゼル燃料製造時に副生成物として得られるグリセリンを用いてP3HAの生合成を行い、収率60%以上の達成に成功し、学術論文に投稿し採択済みである。平成25年度に掲げた研究計画でBDFと奇数鎖脂肪酸を用いたP3HAのブロック共重合体の生合成を行ったところ、培養時間と各ブロックの分子量によい相関が得られ、材料の物性制御の基礎知見を得た。これらの材料を用いて力学物性の確認を行う。またP3HHにハードセグメントとしてのP3HBを添加して、力学物性に対する影響を調べたところ、わずか数%のP3HBを添加するだけで力学物性が大きく改善されることが明らかになった。現在はP3HH以外の中鎖長P3HAについても同様の効果があるかを検討しているところである。
以上の課題については概ね当初の計画通りに進行しているが、菌体としてP.Putidaを用いたグリセリンプラス少量のBDFを炭素源とした生合成では、収率が40%程度までで十分ではなく、さらに検討を要する。

Strategy for Future Research Activity

平成26年度は以下のことについて検討を行う。
1) 3HBと3HBVのブロック共重合体の力学物性を検討する。:W.eutropha を用いて第1の炭素源としてグリセリン、偶数鎖の脂肪酸、脂肪酸エチルエステルにより所定の時間、培養を行い3HBユニットの分子量制御を行ったあと、第2の炭素源として奇数鎖脂肪酸あるいは脂肪酸エチルエステルw炭素源として培養して3HBVユニットの生合成をおこなう。3HBユニットは結晶性であるためハードセグメントとなり、材料物性に大きくすると考えられる。したがって3HBユニットの分子量制御を行って作成したP3HAフィルムの力学物性を測定し、従来より柔軟で丈夫な材料開発を行う。
2)中鎖長PHAへのPHB添加効果:P.Putidaは炭素数が6から12のユニットをもつPHAを生合成することができる。そこで従来のサカグチフラスコ(500ml)から3lのジャーファメンターにスケールアップを行い、力学物性測定用のPHAの生合成を行う。生合成したPHAに所定の量のPHBを添加して引張試験を行う。
3)P.PutidaによるBDF副生グリセリンの代謝:前年度に引き続き、P.Putidaを用いてグリセリンに少量の脂肪酸を添加してPHAの高収率化を目指す。本年は脂肪酸の炭素数を変えて生合成を検討する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究を遂行するにあたり、試薬などの消耗品が充足していたたため、次年度に必要となったものを有効に活用する方がよいと判断したため、予算を次年度に持ち越しました。
基本的には試薬などの消耗品に使用する予定です。

  • Research Products

    (2 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Production of Poly(3-hydroxyalkanoate)s by Pseudomonas putida Cultivated in a Glycerol/Nonanoic Acid-Containing Medium2013

    • Author(s)
      T. Miura, D. Ishii, and T. Nakaoki
    • Journal Title

      J. Polym. Environ

      Volume: 21 Pages: 760-765

  • [Presentation] P. putidaによるバイオディーゼル燃料の副生グリセリンを炭素源としたポリ(3-ヒドロキシアルカノエート)の生合成2013

    • Author(s)
      中沖隆彦、高橋輝行、安居潤哉
    • Organizer
      高分子討論会
    • Place of Presentation
      金沢大学
    • Year and Date
      20130911-20130913

URL: 

Published: 2015-05-28  

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