2014 Fiscal Year Research-status Report
非対称交流電解による生体親和性を有する多孔質皮膜の生成
Project/Area Number |
24550241
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Research Institution | Kurume National College of Technology |
Principal Investigator |
田中 慎一 久留米工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (10372244)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 多孔質 / チタン / 陽極酸化 |
Outline of Annual Research Achievements |
硫酸水溶液中におけるのチタンの多孔質化処理の迅速処理ついて検討を行った。硫酸水溶液中で陽極酸化処理によりチタンを多孔質化する際に,予め水素を吸わせると緻密な酸化皮膜が形成され,水素を吸蔵させない場合に比べて,低電圧で多孔質化皮膜が得られることから,直流による陽極酸化ではなく,交流電解による多孔質皮膜の生成を試みた。その結果,通常の交流電解を行うと,チタンの表面からは,水素と酸素ガスが発生し,これら気泡がチタン表面を覆い,このガス層でスパーク放電が発生し,多孔質皮膜を得ることができなかった。 多孔質皮膜の生成に不必要なチタン上での水素発生を抑制するために,ダイオードと抵抗からなる電気回路を利用することにより,非対称交流電解によるチタンの迅速な多孔質化を試みた結果,直流電解法よりも短時間で,しかも低電圧で多孔質皮膜が得られることを見出した。得られた多孔質皮膜は,生体擬似溶液中でアパタイトの析出が確認され,直流法によって作製した多孔質皮膜と同等の生体活性を示した。 電気回路中の抵抗値を変化させることによって,電解中にチタンに吸蔵される水素発生反応を制御でき,非対称交流電解中の水素発生量によって,多孔質皮膜が得られる電解電位も変化することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目後半から最終年度前半まで病気療養のために約1年間実験ができなかったことによる進捗の遅れはあるが,おおむね計画通り進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
残っている課題である合金元素の影響について検討を進める。
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Causes of Carryover |
約1年間の病気療養による研究停止のため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
当初計画どおり研究執行を行う
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