2014 Fiscal Year Annual Research Report
準希薄溶液中で生成するミクロ相分離構造とグレイン構造の形成メカニズム
Project/Area Number |
24550250
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 茂 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50262944)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ブロック共重合体 / フォオニック結晶 / 溶媒和 / 選択溶媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高分子ブロック共重合体(BCP)の、選択溶媒中における無秩序-秩序転移および秩序状態の構造形成機構について明らかにした。特に、選択溶媒による偏斥力の増大効果と、共通良溶媒による希釈効果とに着目し、非常に大きな構造周期を要する可視光領域におけるフォトニック結晶への応用を検討した。 高秩序な構造を得る為には系を平衡に至らせることが重要であり、系の運動性を増大させる方法について検討した。BCPの構成成分全てに共通な良溶媒を利用することは粘度の低下と運動性の増大に寄与するものの、構造形成の駆動力の低下につながる。そこで、選択溶媒により駆動力の増大を図ったものの、「BCP中のミクロ相分離」と「共重合体-溶媒間の巨視的相分離」との競合を制御する必要性があることを見いだした。3つのモデル系を提唱し、その物性制御について調査した 単一の選択溶媒を利用して無秩序-秩序転移における構造形成の機構を検討した。PSに強い選択性を有する溶媒とポリスチレン-b-ポリエチレンプロピレンの溶液を系として選び、単一溶媒系において温度変化により溶媒-PS間の巨視的相分離を積極的に利用することにより、偏斥力の制御が可能であることを示した。 SI/DMP/C14/DOPを用いて、PSに選択的なDMPとPIに選択的なC14を同時に添加することにより、二つの巨視的相分離を利用し構造形態を保ちつつ周期のみを変化させる方法を示した。ここで、高分子濃度の増加とともに偏斥力が増大する領域と低下する領域、その境界領域では系は見かけ上θ状態となっていた。また、温度変化により偏斥力の制御が可能であることを示した。選択溶媒と構成高分子間の巨視的相分離を積極的に利用してミクロ相分離構造を制御することが可能であることを示した。 以上から300 ~ 800nmの可視光全領域において高い波長応答性を有する機能材料の設計指針を示した。
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