2013 Fiscal Year Research-status Report
高性能化置換型ポリ乳酸ステレオコンプレックス材料の開発
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24550251
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
辻 秀人 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60227395)
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Keywords | 生分解性高分子 / 置換型ポリ乳酸 / ホモステレオコンプレックス / ヘテロステレオコンプレックス / 3成分ステレオコンプレックス |
Research Abstract |
置換型ポリ乳酸であるポリ(2-ヒドロキシブタン酸)[P(2HB)]のL体およびポリ乳酸(2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸) [P(2H3MB)]のD体を縮合重合により合成し、ヘテロステレオコンプレックス(HTSC)形成の可能性を検討した。その結果、溶液結晶化法および溶融結晶化法のどちらにおいても良好にHTSCが形成されることを見出した。また、P(2HB)とポリ乳酸(PLA)のHTSC形成と異なり、結晶化温度がHTSC形成に与える影響が小さいことも明らかとなった。 P(2H3MB)のL体とD体を縮合重合により合成し、ホモステレオコンプレックス(HMSC)形成に与える結晶化条件の影響を検討した。その結果、HMSC形成は結晶化温度(Tc)の影響を余り受けないこと、およびPLAやP(2HB)のHMSCと異なり、P(2H3MB)のHMSCの球晶成長速度(G)は、ホモ結晶のGよりも低いことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
種々の置換型ポリ乳酸のホモステレオコンプレックス形成およびヘテロステレオコンプレックス形成の検討において、直鎖型の側鎖を有するポリ乳酸とポリ(2-ヒドロキシブタン酸)のヘテロステレオコンプレックス形成は報告したが、今回初めて直鎖型の側鎖を有するポリ(2-ヒドロキシブタン酸)と分岐型側鎖を有するポリ(2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸)の間でヘテロステレオコンプレックス形成の起こることを見出した。また、P(2H3MB)のL体とD体を縮合重合により合成し、ホモステレオコンプレックス(HMSC)形成に与える結晶化条件の影響を検討することができ、順調に研究が進展しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、ポリ(2-ヒドロキシブタン酸)とポリ乳酸のヘテロステレオコンプレックスの加水分解挙動を検討するとともに、すでにホモステレオコンプレックスおよびヘテロステレオコンプレックス形成を報告した置換型ポリ乳酸の以外の置換型ポリ乳酸に関しても、ホモ、ヘテロ、3成分ステレオコンプレックス形成の可能性について検討する予定である。
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Research Products
(5 results)