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2013 Fiscal Year Research-status Report

テルル化カドミウム-金属界面準位制御による高分解能放射線検出素子の開発

Research Project

Project/Area Number 24560061
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

山里 将朗  琉球大学, 工学部, 教授 (10322299)

Keywordsテルル化カドミウム / 放射線検出素子
Research Abstract

これまでの結果より、各種金属(Al, Ti, Ni)をショットキー電極として作製した(Al, Ti, Ni)/CdTe/Ptショットキーダイオード素子において、電極材料の違いによるショットキー障壁高さに大きな差は見られなかった。これは、それぞれの金属の仕事関数が、Al:4.28 eV, Ti:4.33 eV, Ni:5.15 eVと異なることから予測される理論的な値からは大きくずれている。そのため、前年度にMg:3.66 eVを用いて素子を作製して、障壁高さを求めたところ、0.57 eVとなり、同様に理論値の2.1 eVより小さい値となった。そのため、フェルミ準位のピニングが起きていることを強く示唆する結果が得られている。このフェルミ準位のピニングは、CdTe結晶の表面状態に大きく依存することが考えられる。そこで、電流同時AFM測定を行い、表面状態の解析を行った。未処理及びHeプラズマ処理、硫黄処理のCdTe結晶表面の解析を行い、電気的特性に差があることを確かめた。この測定では、計測することにより結晶表面が変化する事があるため、測定には多くの技法が必要とされる。今回、この測定技法について、多くの知見を得ることができ、CdTe結晶の電流同時測定技術を確立することができた。しかしながら、その特性の差が、表面状態や表面準位密度とどの様な関係があるのか、未だ解明できていない。また、ショットキー型CdTe放射線検出素子では、時間経過と共に放射線検出スペクトルが劣化するポラリゼーション現象が問題となる。今回、素子に逆方向バイアス電圧を印加したときに流れる電流(逆方向電流)の長時間計測システムを開発し、ポラリゼーション現象と逆方向電流との関係を調べている。その結果、逆方向電流は、逆方向バイアス電圧の印加直後より徐々に増加し、10~20時間ほどで飽和する傾向を示す事がわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

AFM電流同時測定における測定技術の蓄積や、電気的特性計測システムの構築などについては、順調に進んでいる。AFM測定おいては、測定による表面状態への影響を極力抑えるための測定技術を確立した。また、周囲環境の影響も取り除くため、真空雰囲気中での測定技術についても知見を得ることができた。電気的特性と放射線検出特性の関係を明らかにするために、過渡電流の長時間依存性の計測も行う事ができ、CdTeショットキーダイオード素子の漏れ電流(逆方向電流)が、時間と共に増大していく現象を確認することができた。また、印加電圧を変化させたときの逆方向電流の長時間測定も行う事ができた。しかしながら、AFMによる局所的なI-V特性と表面準位との関係、漏れ電流の増大とポラリゼーション現象の関連性については、まだその現象を説明できる機構について考察中である。現在、今回構築した計測システムで、様々な試料について計測を行い、電極とCdTe結晶の接合状態についての情報を積み重ねている。

Strategy for Future Research Activity

今後、長時間過渡電流特性とポラリゼーション現象との関係を明らかにするために、未処理のCdTe結晶、プラズマ表面処理、硫黄処理を行った試料について、長時間電流測定及び放射線検出測定を行う。現在、放射線検出スペクトルにおける半値幅と逆方向電流の絶対値の大きさについては、明確な関連性は見られていない。今後、我々が以前に報告した電荷蓄積モデルによる深いアクセプタ準位の解析結果と併せて、電気的特性の劣化機構について明らかにする予定である。
また、AFM電流同時測定により、薄いCdS層をつけた表面の解析を行う。CdS層が一様に形成される作製条件を調べ、CdS層により表面準位を補償することで、フェルミ準位のピニングを抑えることができると考えている。そして、より理想的なショットキー電極を形成し、電極材料による特性の違いを明らかにできると考えている。また、素子冷却時の放射線検出特性についても計測することを考えている。
以上、電気的特性の劣化機構を明らかにし、表面準位の補償を行う事で、ポラリゼーションを極力抑えたCdTeショットキー型放射線検出素子の作製を実現する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

長時間電流計測システム構築のために予定していた機器(データロガー)を、既存の機器の組み合わせにより実現したため、差額が生じた。
この差額分は、今年度必要となるカンチレバー及び真空機器等消耗品の購入にあてる予定である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] CdTe結晶上へのMg電極形成と特性評価2013

    • Author(s)
      町田香奈子,山里将朗,比嘉晃
    • Organizer
      第74回応用物理学会秋季学術講演会
    • Place of Presentation
      同志社大学,京都府
    • Year and Date
      20130916-20130920

URL: 

Published: 2015-05-28  

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