2014 Fiscal Year Annual Research Report
テルル化カドミウム-金属界面準位制御による高分解能放射線検出素子の開発
Project/Area Number |
24560061
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山里 将朗 琉球大学, 工学部, 教授 (10322299)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 放射線検出素子 / ショットキーダイオード / 金属半導体界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はCdTe放射線検出素子における半導体-金属界面に関するものである.Heプラズマ処理後に仕事関数の異なる各種電極材料を形成させ,ショットキー障壁高さを調べたところ,材料の違いによる差はほとんど見られず,界面準位の存在が影響しているものと考られる.そこで,界面状態の制御を目的としてHeプラズマ処理,硫黄処理を施して作製したCdTeショットキーダイオードのI-V特性,表面状態,表面準位密度を測定し,各表面処理がCdTe結晶上へのショットキー障壁の形成に与える影響について検討した. DFMによる形状像の測定結果から、表面処理によって表面モルフォロジーは変化するが,各処理条件の間で表面粗さに大きな差は見られなかった.また,界面状態と電気的特性を詳細を調べるために,Conductive-AFMによる形状像と電流像の同時測定から,Heプラズマ処理により未処理の表面に存在する比較的導電性を有するTeリッチ層が取り除かれることが観測された.また,Heプラズマ処理と硫黄処理の間でも電流像に明確な差異がみられ,この違いはショットキー障壁の形成にも差異を及ぼすと考えられる. I-V温度特性よりショットキー障壁高さ及び理想係数を算出した.両表面処理法において,理想係数が1より大きくなった.この原因は障壁を通過するトンネル電流や,空乏領域での発生再結合,界面層の影響による障壁高さのバイアス依存性などによるものと考えている.また,硫黄処理を施した表面の方がHeプラズマ処理を施した表面より,理想係数が高い傾向にあることが分かった。これは,硫黄処理を施した表面のCdS層が界面層として働いているためではないかと考えている.しかし,素子の長時間動作という観点からは硫黄処理を施した試料の方が良い特性を示しており,必ずしも理想係数との相関は見られていない.この点についてはさらに詳細を調べる必要がある.
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Research Products
(2 results)