2012 Fiscal Year Research-status Report
化学量論に基づく浸炭・窒化過程の化合物析出と力学場解析およびその変態・熱・力学
Project/Area Number |
24560118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
井上 達雄 福山大学, 構造・材料開発研究センター, 客員研究員 (10025950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 竜二 埼玉工業大学, 教育研究協力部, 係員 (40398540)
上原 拓也 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (50311741)
渡邊 陽一 仙台高等専門学校, マテリアル環境工学科, 客員教授 (60515154)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 窒化 / 浸炭 / 化学量論 / 化合物 / 簡便法 / 応力解析 / 有限要素法 / フェーズフィールド法 |
Research Abstract |
窒化・浸炭過程では,ある窒化・炭素ポテンシャルをもつガス雰囲気から鋼の表面を通じて窒素N・炭素Cが拡散するとともに,鉄Feなどと化学反応を起こして窒化物FeiNj・炭化物FeiCiを形成する.拡散窒素・炭素それ自身および化合物形成によって固有ひずみが生じて,内部に応力が生じ,機械部材の強化をもたらす.これまで,窒化・浸炭におけるN,Cや窒化合物の分布の解析は多く行われているが、それによるひずみや応力の解析についてはまだ未確定な段階であった. 今年度は、窒化を中心に研究を行い,窒化が部材表面の極く浅い部分に限られていることから,窒化,応力の解析は1次元(ないしは擬似1次元)解析で十分であるとの立場にたって,基本的な論理を展開し,軟窒化のシミュレーションを試みた. まず、表面から逐次形成されるγ'ーFe4N、εーFe3N、δ-Fe2Nの固溶限を境界条件とする拡散方程式を解き、これから窒素と窒化物の分布を求めた。これらの窒素と窒化物の体積変化から生じるひずみ分布を規定し、弾塑性解析によって応力分布を求める。この計算は、いまのところ計算ソフトMATHEMATICAで行っているが、これをWXCELに変換する準備も開始した。 以上の結果の妥当性を検証するために、残留応力測定の準備を行うとともに、歯車などの実用機械部材へ応用するために有限要素解析を開始しっている。 また窒化のメカニズムの検討を行うために、フェーズフィールドシミュレーションも行ないつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した通り、窒化については、論理、理論の展開、MAHEMATICAによるシミュレーションにるいてはおおむね順調に見通しが得られたが、将来社会の一般の利用にに供するためのEXCEL化について若干の遅れがある。 また、実用機器への適用の有限要素解析については、簡単な論理による計算は準備が整っているので、今回展開した手法を適用する準備を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、窒化について未解決の問題すなわちシミュレーション手法のEXCEL化、実験による検証などについて引き続き検討を加える。 平成25年度で予定した浸炭については、窒化と同様の論理が成り立つので窒化で確立した手法を応用して、MATHEMATICA-EXCELによるシミュレーションを行うとともに、実験的検証、有限要素法への適用、メカニズムの検討を実施する。 平成26年度では、浸炭+窒化が同時に施される場合への更なる拡張を計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外旅費 450,000円 国内旅費 250,000円 数値解析機 250,000円 消耗品 50,000円 計 1,000,000円
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Research Products
(19 results)