2012 Fiscal Year Research-status Report
非線形超音波法による金属材料の劣化・損傷の非破壊画像化と識別
Project/Area Number |
24560119
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya Industrial Science Research Institute |
Principal Investigator |
川嶋 紘一郎 公益財団法人名古屋産業科学研究所, その他部局等, 研究員 (50023239)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非線形超音波 / 画像化 / 介在物 / 微細欠陥 / 金属基複合材料 |
Research Abstract |
本研究では,水浸非線形超音波(高調波)画像化法を用いて,組成・物性が母材と極わずか異なる異質部・劣化部・損傷部を非破壊的に可視化し,複数の超音波特徴量を用いてそれらの種類を識別することを目的とする. 24年度では,金属中の異質部の高分解能高調波画像化を可能とするため,送信バースト波上限周波数が約100MHzの送信機を米国RITEC社から購入し,中心周波数50MHzの高分子膜探触子を用い,2次高調波成分(100MHz)による画像化によりSiC長繊維強化Ti合金複合材の繊維剥離部を可視化できた.また,(独)日本原子力研究開発機構が開発中の高速増殖炉用酸化物分散強化燃料被覆管(ODSフェライト鋼管)内に存在するCr集合部,チタン酸化物を20MHzバースト波送信・3次高調波(60MHz)受信により画像化し,散乱源位置を切断・研磨・SEM観察したところ,大きさ10×2μm程度のチタン酸化物が確認され,当初の目標の空間分解能4μmに近い分解能が得られた. 高調波で可視化された散乱源の種類識別法を開発するため,市販金属内の介在物,ODSフェライト鋼管内の介在物・直径数μmのボイド集団などを含むサンプルについて,高調波画像,受信波形,スペクトルなどを収録し,それらの特徴量を分析中である.今年度導入した,水浸超音波画像化のポスト処理ソフトウエア「Insight Analysis」を用いると,画像化時に収録した全受信波形に,ハイパス,ローパス,バンドパスフィルタ処理,2値化処理などを施した後平面及び断面画像を再構成することが可能となった.このソフトを用いることで,異質部の種類毎の可視化が容易になると期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究実績の概要に記載のように,24年度研究実施計画に記載の異質部の高空間分解能画像化については,当初目標の4μmに近い微細介在物を水浸高調波法で可視化できた.高調波で可視化された散乱源種類の識別については,介在物,マイクロボイド集団,偏析などを含むサンプルについて,波形解析を行っている.また,画像化域の全波形収集後の各種ポスト波形処理による平面図及び断面像の再構成ソフトウエアの導入により,異なる種類の異質部を抽出して画像化するプラットフォームが整備できた.
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Strategy for Future Research Activity |
1 高調波で可視化された散乱源の種類識別法の構築:市販金属では高調波散乱源の実体は破壊試験後しか確認できないので,大きさ・形状・方位が既知の介在物,マイクロクラック,マイクロボイドなどを人工的に包含する試験片を製作して,欠陥種類毎の各種超音波特徴量を測定し,定量化する. 2 非線形波動シミュレーションによる数値実験:上記1により製作できる試験片は限られるので,研究協力者名古屋工業大学伊藤智啓准教授の支援を受けて,非線形波動シミュレーションにより大きさ・形状・方位が異なる介在物,マイクロクラック,マイクロボイドなどを含む仮想試験体の高調波伝搬を解析し,各種超音波特徴量の違いを明らかにする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年旅費使用計画 研究成果の取りまとめや学会発表等を行うために必要となる 旅費の支出を予定している 名古屋ー岡山 1泊2日 名古屋ー東京 1泊2日
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Research Products
(3 results)