2014 Fiscal Year Annual Research Report
難削材への微細深穴加工のための三次元低周波加振技術の開発
Project/Area Number |
24560124
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
堀尾 健一郎 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60201761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 順一 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (80375584)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 微細深穴あけ技術 / 振動切削 / 3次元加振機能 / 把持機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、難削材料に対する微細深穴あけ技術の実用化を目的とし、加工対象物の低周波振動加振技術の開発を実施する。具体的な対象として、ディーゼルエンジンの噴射ノズル穴加工において、チャック上に固定された耐熱合金製ノズルの表面に対して任意方向に低周波振動(数100Hz前後)を与える手法を開発し、切削主軸の超音波振動加振(40kHz)と併用することによりL/D比20以上、穴径0.2mm以下の微細深穴加工における工具折損防止および工具長寿命化を実現することを目指す。 平成26年度には、先年までに開発を完了した把持機構に対して、直進運動以外の楕円振動を付与する制御システムの追加を行い、実際に微細穴加工を実施し、切削時の環境下でのシステムの有効性を検証した。 具体的な内容としては、昨年までに開発を完了した加工対象物把持機構上に設置され、垂直方向、および水平方向へ同位相、同周期の振動を与えていた加振システムの設計改良を行った。個々のボイスコイルモーターの制御回路を独立させ、加工時の加工対象物の振動を任意の方向に設定可能なシステムを開発し、運動精度の評価を行った。また、開発機構をマシニングセンタに搭載し、L/D比20の微細穴の加工における真円度、および直進性の精度評価を行った。 実験結果では、切屑の切断に最適な150Hzの低周波振動条件下で、位相を1/16ずらした条件において、ドリルの進行方向に10μm、ドリルの径方向に3μmの楕円振動を正確に付与することが可能となった。また、加工後の微細穴径においても、径0.3mmの目標に対して誤差を無振動条件での30μmから8μm程度まで向上させることができることを確認し、提案手法の有効性を検証することができた。
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