2012 Fiscal Year Research-status Report
予測補正制御に基づく高速高精度な多軸加工システムの開発
Project/Area Number |
24560148
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Numazu National College of Technology |
Principal Investigator |
藤尾 三紀夫 沼津工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (70238541)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 多軸加工用CAM / 金型加工 / CAD/CAM / 多軸加工 / 高速高精度加工 / 形状補間 / 誤差の予測補正 |
Research Abstract |
当該研究では3軸加工で実績を得た「予測補正制御手法」を多軸加工に適用し「形状補間」と「予測補正制御」により高速高精度な多軸加工を実現するシステムの開発である。当該年度は加工実験を行うために必要な「多軸加工機の導入と実験システムの構築」とシステムの基本概念である「工具の加工点における切削速度制御」について研究を進める事を目的としていた。 「多軸加工機の導入と実験システムの構築」では、多軸加工について研究と実験を行うために必要となる、5軸加工機の導入と操作法法の修得、および基本実験を当該年度において実施予定であった。しかし、設置予定場所である実習工場の改修年度と重なり、また改修の工事の大幅な遅れにより、5軸加工機を導入することができなかった。このため、当初予定していた5軸加工機の導入と操作方法の修得は平成25年度に早急に実施することとした。 もう一つの目的である「工具の加工点における切削速度制御」については、導入する機械の軸構成が不明であるため、一般的な工作機械の構成に基づいて、座標変換システムの検討と構築を行った。これはオフセットされた形状からサーボデータを計算した後、各軸の動きに変換するための演算システムである。また工具姿勢とサーボデータの関係から精度を向上させるために、幾何的処理とその可視化ツールを追加した。しかし、本年度は5軸加工機が導入できなかったため、開発した基本動作の試作システムの評価を行うことができなかった。 このように当該年度は対象とする5軸加工機の導入ができなかった事が要因となり、研究全体として遅れが生じる結果となった。平成25年度に5軸導入からシステム開発までを含め、早急に対応し、遅れを取り戻す必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当該年度は加工実験を行うために必要な「多軸加工機の導入と実験システムの構築」とシステムの基本概念である「工具の加工点における切削速度制御」について研究を進める予定であった。 しかし、「多軸加工機の導入と実験システムの構築」では、当初予定していた5軸加工機の設置場所(テクノセンター)には3次元測定器が仮設置されており、これを移動できなかったため、研究に必須となる5軸加工機を導入することができなかった。これは当該年度予定していた実習工場の改修が大幅に遅れ、仮設置の3次元測定器を改修後の実習工場に移動できなかった事が原因であり、結果的にテクノセンターに5軸加工機を設置できなかった。このため、「多軸加工機の導入と実験システムの構築」において、当初予定していた5軸加工機の導入と操作方法の修得および基礎実験および性能評価を行うことができなかった。 また「工具の加工点における切削速度制御」については、5軸加工機が導入できなかったため、導入する機械の軸構成がわからず、一般的な工作機械の構成に基づいて、座標変換システムの検討と構築を行った。更に精度を向上させるための幾何的処理を開発した。しかし5軸加工機が導入できなかったため、開発した機能の動作確認を実施できなかった。 このように当該年度は、研究の核となる5軸加工機を導入することができなかったため、具体的なシステム開発を始め、実験など予定していた実質的な部分の研究を進めることができず、導入の遅れが研究の遅れの大きな要因となった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、5軸加工機の導入に向けて、まずは早急に購入対応を行う。導入される5軸加工機の仕様が決まると、機械の軸構成が決まり、幾何演算手法が確定するため、導入前に幾何演算システム構築とオフセット形状からのサーボデータ手法を確立する。同時に、平成24年度実施予定であった「多軸加工機の導入と実験システムの構築」と「工具の加工点における切削速度制御」について早急に対応し、導入と同時に実験を行えるように準備する。併せて、導入後に直ちに取扱方法を修得し、最新の5軸加工機の性能評価も行う。 また並行して、平成25年度に予定してた、試作システムの検証のため「開発したシステムの有用性検証のための測定システムの構築」を行う。そして、幾何形状からダイレクトに5軸加工用のサーボデータを生成する「形状補間に基づく高精度な多軸サーボデータ生成手法の確立」について開発を行う。 このように今後は、研究の遅れの最大要因となった5軸加工機の導入を速やかに行い、遅れを取り戻すと同時に、当初予定していた平成25年度の研究を併せて行い、研究を進展させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
導入が遅れている5軸加工機の早期導入に伴い、サーボデータによりサーボモータを直接駆動するためのハードウェアである「ファーストイーサデータサーバボード」を導入し、提案するシステムで5軸加工機を直接駆動する加工システムを構築する。また5軸加工機での制御位置データや速度データなど、5軸加工機の測定に必要となる「ダイレクトバイナリ運転ボード」と「サーボデータガイド」を導入し、精度や特性精度測定のためのシステムを構築する。併せて、サーボデータ生成用の専用パソコン、測定用のデータ解析パソコンなどを導入し、遅れている研究を早急に進める。 このように平成25年度は、研究開発用の5軸加工機の導入と試作システムおよび測定用のハードウェアとソフトウェエアを揃え、研究に有効に活用する。そして、これらの機材の導入は、5軸加工機の仕様決定後、5軸加工機が導入される前から早急に進め、研究の推進と遅れの回復に努める。
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