2014 Fiscal Year Annual Research Report
アルカリ溶解性会合高分子溶液中における特異な気泡・液滴ダイナミクスの解明
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24560180
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
太田 光浩 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (00281866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 修一 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (00293738)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 弾性特性 / 気泡上昇運動 / 気泡形状 / マイクロスケール |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの液々系実験からの知見から,アルカリ溶解性会合高分子(HASE)溶液中の特異性は局所に高剪断場が形成されないと出現しないことが分かった.従って,当初予定していた液滴や気泡の生成過程に焦点をあてても,強制入流させる運動では局所的な特異性が形状に反映出ないことが予想された.そこで本年度は,昨年度に発見した特異なマクロスケール構造の中に発現するマイクロスケールの特異形状についての実験を行った.溶液濃度を調整することで低~高粘性溶液を作り,気泡形状を大きく変化させ,気泡に発現する特異な気泡形状を投影させて調べた.無次元物理パラメータの点からは,3つのMorton数条件に対して広範囲のEotvos数で実験を行い,気泡形状とReynolds数を観察したことになる.高解像の高速度ビデオ・カメラにより様々な物理条件下で見られる特異な粘弾性特性を受けてユニークな形状で運動する気泡を観察した.各Morton数(溶液濃度)条件に対して,パターンの異なるマイクロスケール構造を観察した.しかし,常にマイクロスケール構造は出現せず,またその出現するEotvos数条件もMorton数条件ごとに異なった.観察された現象は溶液中の高分子が,界面にて気泡分子に直接作用しているとしか考えられない現象で,流体物理として極めて興味深い現象であると言える.これらのマイクロスケール構造は肉眼では見えず,通常の撮影でも映像として捉えることができない.上昇運動する気泡をビデオ・カメラのフレーム数を大きくしながら,拡大して撮影をすることが必要で,十分に鮮明な映像が撮影できていない.より鮮明な映像を撮影して,考察することが次の課題である.また,粘弾性流体中の気泡の上昇運動で良く知られている特徴である,気泡体積に対する上昇速度の不連続変化を確認できた.この不連続変化は,気泡形状変化と結びついていることを明らかにした.
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Research Products
(3 results)